2人は、今年3月の新日本プロレス東京・日本武道館大会で、オカダ・カズチカを交えたトリオを結成。5月のドラディション東京・後楽園ホール大会では、新型コロナウイルス陽性判定の影響で、大会までにコンディションが間に合わなかった藤波の代打で棚橋が出場。メインイベントをしっかり締めており、これを見た藤波は「久々にシングルやりたくなって来たな」と棚橋にラブコール。逆に藤波との対戦をかねてから熱望していた棚橋は「しっかり受け取りました」と受諾している。
会見で藤波は「記念大会はタッグか6人タッグだったので、シングルでも1回やってみたいなと。その対戦相手は自分の気持ちの中に長年あった、新日本プロレス入門当時からずっと僕が見て来た棚橋クン。自分が離れてから目まぐるしい成長を遂げて、新日本のトップを今走っているわけで、自分がその状況を迎えた中で、今の新日本のトップの選手と当たったらどうなるのかな?って。自分の中で勝負に出ていこうと。現役を続行する意味ではいい機会が出来たのかなと思います」と棚橋戦への思いを語った。
棚橋は「藤波さん、武藤(敬司)さん…新日本プロレスで正統派と言われる選手に憧れて、藤波さんの肉体美に憧れて、一生懸命トレーニングして、2人の背中を追いかけてきましたけど、こうして藤波さんとシングルが出来るのは貴重で僕の財産、宝になるんじゃないかという気持ちがあります。今の現役選手、若い選手からしたら異次元の世界観を出せるような気がするので、60分フルタイムドローの気持ちで全力で闘います」と語り、伝説の1988年8.8神奈川・横浜文化体育館で行われた、藤波とアントニオ猪木による60分フルタイムドローを引き合いに出していた。ちなみに、棚橋は藤波が最後にIWGPヘビー級王座を戴冠した東京ドーム大会(猪木引退試合)を観戦しており、「藤波頑張れ!」と客席から声援を送っていたほどの藤波ファンである。
両者のシングル対決は2002年以来、20年ぶり。棚橋は左の張り手やドラゴンスクリューなど、藤波の技を使い続けており、最近では丸め込み系の技で勝利を収めることも多くなって来た。棚橋が言うように、この時期に藤波とシングルで当たるのは貴重なのかもしれない。
(どら増田)