イギリス・チェシャー州で57歳の母親が、30代の息子が彼女と暮らすために家を出ることに嫉妬。息子に大量のメッセージを送りうつにさせ逮捕された事件の裁判が行われた。海外ニュースサイト『Mirror』と『Daily Mail Online』などが9月1日までに報じた。
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報道によると、息子は一人っ子で、これまで母親とともに暮らしていたという。ある時、息子は恋人ができ、2022年の春ごろ彼女と一緒に住むことになった。息子は母親と暮らす実家を出たが、母親は息子が自分の元から離れたことに嫉妬。約6週間にわたり、警察官である息子に対し、「仕事を解雇されたらいいのに」「あなたが死んでいたらいいのに」といった嫌がらせのメッセージを大量に送り続けたそうだ。息子が返信せずにいると、母親は包丁の写真とともに「私はこれで自殺する」と脅した。返信が遅いと息子の周囲に連絡することもあった。
母親の行動に嫌気がさした息子は母親の連絡先をブロック。母親は2022年4月25日、自身の兄の元へ行き、息子に関する話をした。母親の兄が息子に連絡。息子は彼女とともに、車で母親の兄の元へ向かった。息子が車で到着した際、母親は「なぜ彼女もここにいるんだ」「私は彼女を殺すだろう」と激怒したそうだ。息子が怒りをなだめようとすると母親は息子の足を蹴ったり顔を殴ったりした。息子は暴力を振るわれたものの、深刻なけがはなかった。
追い詰められた息子は警察に相談。母親は嫌がらせをした罪や暴力行為をした罪で逮捕された。
2022年8月に裁判が行われ、母親には有罪が言い渡され、120ポンド(約1万9000円)の罰金と12カ月間の社会奉仕活動を科されたほか、18カ月間息子への連絡が禁じられた。裁判では息子は不安とうつ病に苦しんでいて、入院をしなければならなかったと伝えられた。一方母親側の弁護士は、母親は子どもが進級や結婚などで巣立っていく際、一人取り残された主婦が空虚感や不安感に襲われる「空の巣症候群」だったと明かし、息子が離れていくのを感じ落ち込んで飲酒の量が増えていたと語った。
また、母親が息子に暴力を振るった日は、母親は兄にスマートフォンにアプリのインストールを頼む予定で、それがきっかけで兄の家にいたのだと主張。息子にお願いしたかったが連絡が取れなかったため、兄を頼ったが、兄の家に息子と彼女が来て混乱したと言った。弁護士によると、母親は息子との関係の改善を望んでおり、自分のしたことを後悔しているという。息子は、裁判の少し前に迎えた母親の誕生日にバースデーカードを送っているそうだが、息子に関係を改善する意思があるかは裁判では述べられていない。
このニュースが世界に広がると、ネット上では「息子は母親の所有物じゃない。息子はうつになるほど追い詰められてかわいそう」「息子はこれまで彼女がいなかったのか。同棲するまでに至らなかったからこれまではうまくやり過ごしていたのかも」「息子は被害者だけど、母親の気持ちも分かる。きっと寂しかったのだろう」「18カ月間の禁止命令が出ているけど、18カ月後には同じことを繰り返していそうで怖い」といった声が挙がっていた。
家族に愛情を持つことは大切なことだが、愛情の掛け方を少し間違え始めると相手を傷つける事件にまで発展することもあるようだ。
記事内の引用について
「Jealous mum with 'empty nest’ syndrome attacks only son who left home to be with girlfriend」(Mirror)より
https://www.mirror.co.uk/news/uk-news/jealous-mum-empty-nest-syndrome-27888238
「Jealous mother, 57, suffering 'empty nest syndrome' punched her policeman son in the face after he moved in with girlfriend who she accused of 'taking him away from her'」(Daily Mail Online)より
https://www.dailymail.co.uk/news/article-11168271/Cheshire-mother-assaulted-police-officer-son-moving-girlfriend-banned-contact.html