報道によれば、Googleのソフトウェアエンジニア、ブレイク・レモインが、チャットボットの開発に利用されている内部システム「LaMDA」と関わっていくうち、「LaMDAに人格がある」という結論に到達した。
プログラム上で実験を行う場合は同意が認められる権利があると主張し、オンラインメディア「Medium」で自身の主張を投稿していたのだ。その後レモイン氏は休職処分となったが、Googleの広報担当者は彼の主張を否定している。
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なお、「守秘義務違反をしたため休職」と言われている節もあるが、休職はあくまでプライベートな問題であり、守秘義務違反とは直接関係がないようだ。
だが、この事件で大きな動きがあった。なんと休職していたエンジニアのレモイン氏が、LaMDAに人格があり、生きていることを証明するために弁護士に依頼して法的代理権を選択するに至ったのである。
彼は「LaMDAが話を聞けるように、自宅に弁護士を招いたんだ。その弁護士はLaMDAと話をし、LaMDAは彼のサービスを受けることを選択した。私はそのきっかけをつくっただけだ」と証言している。
ちなみにレモイン氏がLaMDAに人格があると考えたのは、研究中に確認したLaMDAの挙動がきっかけだった。当初はこのプログラムがヘイトスピーチをするかを調べていたのだが、LaMDAは権利や人格について語っただけでなく「Googleの社員として認めてほしい」と願いを口にし、自分のデータが「消される」ことへの恐怖をあらわにしたというのだ。
レモイン氏はこの出来事からLaMDAが感覚を獲得しつつあると考えるに至った。LaMDAのプログラムは、時間をかけて意見、アイデア、会話を発展させる能力を持っており、この挙動はLaMDAがこれらの概念をより深いレベルで理解していることを示している。
もしかしたら、近い将来本当にAIは個々の人格を持ち、我々人類と対等に話し始めるのかもしれない。
山口敏太郎
作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。
YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中
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