自分は大丈夫だと感じていても、いざ遭遇すると相手の話を信じ、金の振込や電子マネーの購入などをしてしまうことがあるようだ。重要になってくるのは「手口を知っておく」こと。事例が頭に入っていれば、すぐに詐欺であることを見抜くことができる。そこで、今回は直近に発生した詐欺の手口を検証したい。
>>24歳男性会社員、530万円を振り込め詐欺で奪われる 高齢者でなくても注意が必要<<
2022年3月には、秋田県大館市に住む50代の男性が自宅のパソコンでネットを閲覧中、突然画面が真っ赤になり、警告音とともに連絡先が表示され、電話をしてみると、「パソコンがウイルスに侵されているので修理代金が必要です」などと電子マネーを買うよう要求された。本来、パソコンがウイルスに感染した場合に、修理代金を第三者に払う必要性は皆無だが、男性は信じてしまい、約180万円の電子マネーカード利用権をだまし取られてしまった。
また、同2月には兵庫県三木市で、64歳女性の携帯電話に「生前贈与をしたい。9億円を受け取って欲しい」というメールが届き、これを信じた女性が記載されたURLにアクセスし、必要情報を登録してしまう。
その後、「手続料」などを称し電子マネーカードを次々と要求され、約430円分の電子マネーカード利用権をだまし取られた。「9億円」に目がくらんでしまったものと思われるが、冷静に考えれば、詐欺被害は防げていただろう。
さらに、2021年9月には愛知県で、区役所の職員を騙る男から「医療費の還付金がたまっている」と電話があり、その後金融機関の職員を名乗る人物から「ATMへ行き、受け取る手続きをしてください」と電話を受けた60代の男性が話を信じ、約63万円を振り込んでしまう事件も。この事件では、詐欺師側が振込後「騙されてバカめ」と侮辱するような発言をしたことも判明している。
「今後、詐欺師側も新たな手口を考えてくる可能性があります。世の中にうまい話はないことを認識するとともに、不審な請求を受けた場合は電話口で判断せず、家族や警察、消費者センターなどに電話し、必ず確認を取ってください。また、携帯に登録されていない不審な電話番号については、基本的に出ない、折り返しもしないことをおすすめします」(事件記者)
被害に遭わないよう、十分注意してほしい。