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彩瀬まるの同名小説を映画化した本作は、突然姿を消してしまったすみれ(浜辺)を通じて成長し、前に踏み出そうとするヒロイン・真奈(岸井ゆきの)の人間的な成長を描くドラマ。壇上には主演の岸井と浜辺のほか、共演の杉野遥亮、中崎敏、本作のメガホンを取った中川龍太郎監督も登壇した。
本作のストーリーに絡め、「親友と呼べる人はいるか」と問われた浜辺は「(プライベートで)一方的に大好きで、親友だったらいいなと思う人はいます。わたしは大好きだし、何があっても助けたいと思っているけど、相思相愛じゃなくてもいい相手。全然連絡を取り合わなくてもいい人が逆に親友と呼べると思います。結びつき、信頼を得れる人こそ親友です」と持論を述べ、「親友の定義」として「臓器をあげれる人」と独特の表現で話す。
これに岸井は「親友じゃなくても、臓器に困っている人がいたらあげちゃいません?」とこれまた独特の表現で切り返しをして会場を驚かせる。浜辺は「(臓器は)大事なものだし、自分にも何かあるかもしれないから」と親友でない人への臓器提供には慎重。一方、杉野は親友像について「なんでもしてあげられる人」と回答。「相手に思いやりを持って人付き合いをしていくと、本当に大切にしたい人が見つかると思います。だからこそ僕は、仲が本当に良い人はそれほど多くはできないんじゃないかなって思っています」と持論を述べる。中崎は「代わりに死ねる相手かな」と答え、「だから、臓器をあげれる相手という回答と似ているのかなって思います」と浜辺の意見に理解を示していた。
岸井はこの春から社会人となった新成人や新社会人へのメッセージを求められたが、「(自分が初めて撮影した日は)緊張して前夜は眠れなかったけど、わたしはそういう自分を受け入れました」と述べ、「あんまり肩に力を入れるとうまく動けない。真面目に力を抜くと言うか、もう少しリラックスした方が動けるとも思います。おはようと言ってみたり、何か工夫をすると、うまくいろんなことが始まって行くんじゃないですか。出会いはあいさつから始まりますから」とエールを送っていた。
(取材・文:名鹿祥史)