この日番組ADが取材したお店は、「もういいよ」との立て札がかかった埼玉県滑川町のそば店だった。店主は非常にがさつな人物ではあるが、そば作りの腕は確かで全国に35人の弟子がいるという。
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店主の1日に密着したが、ADは店主から突然「おい!弟子」と呼ばれ、36番目の弟子を意味する「36番」と名付けられた。その日からADは、取材ではなく突然修業することになった。
小麦粉1に対してそば粉10で打ったそば「外一そば」は5~10年打ち続けて、ようやく技を習得できるという。
ADは打ったそばがうまく切れず「35点」と厳しい判定を受けたが、数日間にわたる住み込み修業の末に、5日目になると「80点」と高評価を受け「包丁の使い方が俺と一緒」「俺を超えているんじゃないか」と絶賛された。
またそば切りだけではなく、そば打ちでも天性の才能を見せたADは店主に代わって一から十までそばを打ち、店主が大事にしていた作務衣も渡されるまでに急成長した。
もっともADの本業は『オモウマい店』のリサーチ担当。修業の合間にも店の取材を行い、その現場になぜか師匠がついてくるという奇妙な関係が描かれた。
最終日に店主は寂しさからか「バカ息子!」と悪口をたたきながらも、ADの姿が見えなくなるまで手を振っていた。
普段の『オモウマい店』は、採算度外視のサービス精神あふれるデカ盛りの料理や、個性的な店主のキャラクターが目立つ。ただこの回に関しては、店主の人間としての温かみとADの奮闘ぶりが話題になった。
ネットでは「そんじょそこらのドラマなんかより断然感動する」「良質なドキュメンタリーを見た」「ぐっときた。あと伏線回収がすごい」「人の優しさ 人情がすごくいい スタッフとのやり取りも」「あんな番組なのに泣けてくるわ」「師弟関係がまじ感動を誘うレベル… ギャタクシー賞取るやろね」と、いつもの『オモウマい店』とは思えないような声が相次いでいた。ほか、スタジオにいた滝沢カレンも「すごすぎちゃって今年見たドキュメンタリーで一番よかった」と太鼓判を押した。
また、演者の魅力だけはなく番組側の演出も光っていた。そば修業のVTRが流れる前には、栃木県のある店に取材に行ったADが「僕もそばが打てるんですよ」とそばを打つシーンがあった。実はこれがそば修業VTRへの壮大な伏線になっており、丁寧な番組作りが評価されたようだった。
コロナ禍で、密着してドキュメンタリーを撮るのが難しい時代だが、今回の『オモウマい店』はそれらをはねのけて高い評価を得た。「ギャラクシー賞」も間違いないか?