男は今年1月、山形県山形市でタクシーに乗車すると、車を福島県郡山市まで向かわせる。現地に到着すると、「金を取ってくる」と言って車を降り、料金5万2900円を支払うことなく、そのまま逃走。その後、男が現金2万円の入った運転手の財布も盗んでいたことが判明した。
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警察は24日になり、34歳男の犯行である可能性が高まったとして、詐欺と窃盗の疑いで逮捕する。取り調べに対し、男は容疑を認めているとのことだ。山形市から郡山市までは約143キロメートル離れており、高速道路を使うと2時間程度かかる。タクシー運転手としては往復約4時間を無駄にした挙げ句、財布を盗まれたとは、まさに災難である。
今回のようなタクシーの無賃乗車は度々発生。同じ1月には、40代の女が神奈川県横浜市戸塚区の戸塚駅からタクシーに乗り、8時間かけて約600km離れた鳥取県鳥取市の鳥取駅まで向かわせ、到着したところで料金を支払うことができず、詐欺の疑いで逮捕されている。その金額は、実に23万6690円にも及んだ。女は運転手に「お金は鳥取駅でおろす」などと説明していたことがわかっている。
長距離客はタクシー運転手にとって「おいしい客」とも言われるが、最近の経済状況を考えると、「罠」にもなりかねない。それだけに「あまりにもおかしい長距離の場合は事前に所持金を確認するシステムを作るべき」「こういうケースは高速を乗る前にその料金をもらうとか、そういうことを考えないといけない」など、タクシー会社が対策を講じるべきだという意見が上がっていた。