試合後、三浦大輔監督は「フォークボールを効果的に使われた」と山口のピッチングを冷静に分析していたが、内心は違うはず。現役時代から勝つことに強い執着心を見せてきた野球人である。「勝っても負けても、ファンのために会見に応じる」の“心情”が感情を抑え込んでいたという印象だ。
「6月中、両チームの対戦はありません。7月にならないと…」(スポーツ紙記者)
しかし、その7月対戦が“異例”なのだ。
>>DeNA・三浦監督に「大輔辞めろって」チームOBが苦言 サヨナラ機で犯していたミスをズバリ指摘、ファンからは賛否の声<<
7月2日から3連戦、主催球団はDeNA。球場は「明治神宮球場」である。
東京五輪の影響によるものだ。神宮球場は東京ヤクルトスワローズが本拠地としているが、同日はバンテリンドームでの中日戦が組み込まれている。DeNAの本拠地・横浜スタジアムが利用できないため、NPBと当該チーム同士で調整し、“間借り”することになったのだ。
“球場の間借り”だが、DeNAはこの北陸遠征前の広島3連戦を東京ドームで主催している。こうした状況がしばらくの間、続くのだ。
「今さらですが、横浜スタジアムは五輪の野球・ソフトボールの競技会場となります。その準備もあって、8月31日の広島戦まではDeNAは横浜スタジアムを利用できません」(球界関係者)
地方球場で主催試合を行う方法もあったが、選手の負担も考え、横浜スタジアムで試合をする時と同じように自宅から通える東京ドーム、神宮球場が提供された。この先、神宮球場も五輪の影響で暫く使えなくなるが…。
「東京ドームでの『DeNA対広島戦』もそうでしたが、神宮での『対巨人戦』も違和感があります。DeNAは両球場でビジターゲームをこなしてきたので、球場の特徴は知り尽くしています。問題はないと思いますが」(前出・同)
しかし、こんな意見も聞かれた。
神宮球場は学生野球の聖地でもある。神宮3連戦の2日目となる7月3日は、夏の甲子園大会の東京都予選の開会式が予定されている。高校野球連盟も新型コロナウイルス禍で開会式の規模縮小を決めているが、その開会式のスタート予定時間は午後1時半、DeNAの試合開始は午後5時45分だ。
「高野連とプロ野球の入れ換えなどもあり、調整が難しい」(プロ野球解説者)
室内練習場などが利用されるはずだが、試合開始までの喧騒は想像に難くない。
「DeNAが横浜スタジアムで試合を行ったのは、6月6日が最後。8月末まで帰れません。阪神が夏の甲子園大会のため長期ロードに出る以上の期間です」(前出・同)
三浦監督は東京ドーム、神宮球場での主催ゲームに対し、「問題ナシ」と一笑に付していたが、一歩間違えばそのままズルズルと連敗街道に陥ってしまう危険性もある。
6月23日の巨人戦を落とし、借金17。早く立ち直らないと、DeNAはヤバイことにならないか? (スポーツライター・飯山満)