3年前に交際していた彼とのお話です。初めの数か月はラブラブで夢のような日々を過ごしていました。そんな幸せな日々が壊れ始めたのは交際4か月目に入った頃のことです。
ある日の帰宅時、駅の階段を降りていると、後ろからグッと押される感覚があり足を踏み外したのです。残り5段位だったので膝と手のひらを擦りむいただけで済みましたが、私はショックと痛みでうずくまってしまいました。周りの人に支えられ、救護室へ向かい手当てをしてもらっていると、LINEの返信が遅いことを心配した彼から電話がありました。私が事情を話すとすぐに来てくれ、そこから彼は警察に電話して事情を説明したり、うちに来て料理を作ってくれたりと、テキパキと動いてくれました。本当に頼れる彼氏だし、付き合えてよかったと心の底から思いました。
>>交際よりもストーカーがしたかった男~本当にあった怖い彼氏~<<
しかし、事件はそこで終わらず、その後も家にピンポンダッシュをされたり自転車が盗まれたりと、不可解なことは続きました。その度に彼に連絡し、助けてもらいました。一連の犯人が分かったのは最初の事件から1年も後のことです。その日は仕事帰りに友達と食事の予定でしたが、体調不良のためキャンセルして直帰していました。駅に着き自転車置き場へ向かうと、なぜか私の自転車の横でしゃがむ彼の姿が…。
会いに来てくれたのだと駆け寄ろうとしましたが、違和感を覚えそっと近づきました。すると彼が自転車の鍵穴を壊していたのです。私は一瞬立ち尽くしてしまいましたが、今までのことが走馬灯のようによみがえってきて全てを把握しました。犯人は彼だったのです。その後は逆に冷静になり、私は自ら警察に連絡して彼を突き出しました。後から聞いた話ですが、「彼女にもっと頼ってほしかった」と話していたようです。頼ってほしい、ただそれだけのために彼女の体やモノを傷つける男に、もはや呆れた事件でした。
写真・halfrain