2点リードの7回、勝利の方程式の一角を占めるエスコバーが登板。先頭の森友哉にフォアボールを与えるも、山川穂高、栗山巧の3、4番コンビを打ち取り2アウトまでこぎ着けたが、メヒア、呉念庭に連続タイムリーを浴び同点にされてしまった。序盤から打線が爆発し、最大6点差をつけたゲームを勝ち切ることができなかったのは、交流戦チャンピオンを狙うチームには痛手となった。
リーグ戦では防御率1.15。パワーピッチャーであるエスコバーの調子の目安となる奪三振率は9.19と豪腕ぶりを発揮しているが、交流戦の数字はそれぞれ8.22、5.87と大幅に悪化。2年前の数字はリーグ戦防御率2.51、奪三振率10.02に対し、交流戦はそれぞれ2.53、13.50となっていることからも、パ・リーグが苦手とは考えにくい。むしろ今シーズンの月別防御率に注目したい。3、4月1.59、5月1.38から6月に11.57と跳ね上がってしまっている。4月21日にチームに合流してからすでに23登板とフル回転のつけが回ってきているのではなかろうか。
2018年は53試合登板で13ホールドを記録、2019年はリーグ最多の74試合登板をマークし、昨年はキャンプで右膝の故障がありながらも、56試合登板とフル回転。ベイスターズのブルペン陣にとって貴重なパワーレフティであり、決して欠かすことのできないエスコバー。今シーズンは12球団最下位のクオリティスタート率31.15%と、先発陣が苦しんでいる状況だけに、ブルペン陣にかかる負担は特に増加していることは間違いなく、まんべんなくリリーバーの登板数も増えている。「オトコハダマッテナゲルダケ」と連投もいとわない姿は頼もしい限りだが、鉄腕にも限界があるだけに、先発陣を含めた投手陣全体の底上げが期待される。
取材・文・写真 / 萩原孝弘