40代の若きイケメン、弁護士資格を持つ政治家として、かつては高い人気を誇っていた。さらに、新型コロナウイルスに関しては、独自の感染状況を示す「大阪モデル」を示すなどリーダーシップを発揮してきた。しかし、現在、大阪府では感染者が激増し、医療が逼迫状態にあるのはよく知られている。吉村知事の政策は失敗だったと言わざるを得ないだろう。
そんな現在から見れば何だったのだろうと思わせるのが、約1年前に沸き起こっていた吉村知事フィーバーだ。6月には、缶バッヂや、キーホールダー、クリアファイルやマグカップなど、吉村知事の顔写真をあしらったグッズが発売された。さらにTシャツまで存在する。グッズ作成は吉村知事の事務所へも許可を取り、版権料は発生しない形で作られたという。「大阪の振興になれば」という思いがあったのだろうが、今は観光どころではないのは確かだろう。
さらに、昨年の5月頃には「吉村首相待望論」も沸き起こっていた。吉村知事が国の指示を待つばかりではない独自の動きを見せていたのに加え、安倍晋三前首相がリーダーシップを発揮できていない状況から自然発生的に生まれた。
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だが、8月に開いた、うがい薬がコロナに効果があると唐突に主張した「イソジン」会見は医療現場を混乱させた。その後も、感染防止の根本的な対策となっているとは言い難い「マスク会食」の推奨などを経て、吉村知事のイメージはどんどんと下がっていってしまった。会見などでは、時にいら立ちを見せることもあり「冷静な立場を見失っている?」とネットでは指摘されることもあった。
そして、必然的な結果として到来したとも言える、感染者拡大と医療逼迫。吉村知事は自ら評価を下げてしまったのではないか。ネット上では「吉村知事は頑張ってる」と擁護の声もあるが、政治は結果が全てとも言える。「化けの皮が剥がれた」と見る声も多い。ここからのイメージ回復はかなり難しいのではないだろうか。