問題となっているのは、「0-0」と両チーム無得点で迎えた4回裏に飛び出たプレー。この回広島は無死一塁で西川龍馬が併殺打に倒れたが、2死で打席に入った鈴木が二塁打を放ちチャンスメーク。続く長野久義が遊撃への内野安打を放ち一、三塁にチャンスが拡大したと思われた。
ところが、ヤクルト遊撃・西浦直亨が長野の打球を一塁に送球する間に、二塁走者の鈴木は三塁を蹴り本塁へ。これに気付いたヤクルト一塁・西田明央はすぐに本塁に送球。鈴木は慌てて三塁へ引き返そうとしたが間に合わず、三本間でタッチアウトとなってしまった。
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得点機を潰した鈴木の走塁死を受け、ネット上には、「あまりにももったいなさすぎるミス、三塁コーチャーもストップかけとけよ」、「長野の打球が内野安打になると思わず適当に走ってたのか?」、「昨日も走塁ミスやってたのに何回やれば気が済むのか」といった批判が挙がっている。
一方、「西田が悪送球してたら1点は確実だからむしろ走らない方がおかしい」、「結果的にアウトにはなったが、状況考えると三塁コーチャーが突入指示を出すのは間違いではないと思う」、「2死なんだから攻めた走塁を仕掛けるのは何もおかしくない」と批判に対する苦言や指摘も複数見受けられた。
「ファンの間で批判が高まっている鈴木ですが、前日のヤクルト戦でも走塁ミスを犯しています。同戦の4回裏、広島は1点を先制しなおも1死一、二塁のチャンスで、打席の坂倉将吾が放った打球が二塁への平凡なライナーに。しかし、二塁走者の鈴木は坂倉が打球を放った瞬間にベースを飛び出しており、その後二塁に戻ることができずタッチアウトとなりました。そのため、2日連続の走塁ミスに不満を募らせているファンも少なくないようです。ただ、今回の場面は打者が凡打なら走者の動きに関係なく攻撃が終了する2死の状況だったため、相手野手がミスする可能性を考え積極走塁を仕掛けることは不思議なことではありません。実際、チームの河田雄祐一軍ヘッドコーチも試合後『三塁コーチは普通イージーアウトは回す。相手のミスがあったら1点取れる』と、鈴木の走塁はセオリーに基づいたプレーだと語ったことが伝えられています」(野球ライター)
20日の試合は「1-2」で敗れ、21日は「1-1」で引き分けた広島。両戦ともに1点が勝敗を分けたことも、鈴木の走塁ミスが物議を醸した一因なのかもしれない。
文 / 柴田雅人