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なぜ同情を買えない? マリエ、“炎上商法”だけでなく透けて見えていた狙いとは

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 タレントのマリエが、15年ほど前に島田紳助氏から枕営業を要求されたことを4日、インスタライブで暴露した。マリエは動画の中で、その場で交わされた性的な会話の詳細や、その後相談しても守ってくれなかった事務所に対する思いなどを語り、当時18歳だった自身にとって非常にショッキングな出来事だったと明かした。

 15年前といえば、業界を問わずセクハラやパワハラが横行し、枕営業というキーワードも飛び交っていた時代だ。女性の立場もまだ弱く、ましてやマリエは当時未成年で、芸能界に入ったばかりということもあり、マリエがつらい思いをしたと話せば、同情されて然るべきエピソードである。

 ところが今回、ネットの反響はというと、意外にもマリエに対する同情の声はそう多くなかった。なぜだろうか。

 まず、ライブ動画が公開されてからほどなくして、マリエが近く本を出版するという情報が明らかになったことは大きかった。これによって、告発直後からネットで多くあがっていた「なぜ今?」という疑問について、「販促目的で注目を浴びるために告発した」と結論づける人が多くいた。

 さらにその後、マリエが24日にイベント開催を予定していることをインスタグラムで告知したところ、「イベント集客のための告発だったのでは」と捉える人も少なくなかった。海外の「MeToo運動」にしろ、本来なら勇気ある告白は称賛されるべきはずなのだが、その行動の先に商売がちらついたことによって、見ている側に良くない印象を与えてしまったようだ。

 ​>>マリエの衝撃告白は暴露本出版のため? 意外な人物が紳助さんの現状明かしていた<<​​​

 また、マリエはライブ動画の中で、紳助氏に枕営業を求められた現場に同席し、紳助氏と肉体関係を持つように促した人物としてお笑いコンビのやるせなすと芸人の出川哲朗の名前を挙げた。そして、特に出川については、「出川さんがCM出てるのはマジで許せない。本当に許せない」と強く主張している。これについてネットでは、「当該芸人たちの悪印象を広めることが目的のように思える」「出川を攻撃するのはお門違い」「本来なら怒りは紳助や所属事務所に向けられるべき」と違和感を示す声が集まった。マリエは紳助氏に掛けられた言葉の詳細を告白する中で、「私、殺されるかもしれない」と怯える姿を見せていた。

 そんな恐怖心もあってか、話を進める中で、紳助氏に対する感情表現をやや控えめに、出川に対しては思うがまま感情的に語ったように見えた。これが、より大物を避けて立場の弱い者を中心に攻撃したような印象を与え、告発としては中途半端で卑怯な印象を与えてしまったきらいがある。本来なら称賛されるはずの勇気ある行動も、声をあげている本人に悪い印象が伴うと、効果は広がらない。

 また、アメリカ・オハイオ州立大学のスコーロンスキー博士が行った研究によると、第三者の悪い評価を人に伝えた時、第三者よりも、むしろ第三者の悪い評価を伝えている本人の評価の方が下がる傾向があることが分かっている。

 とはいえ、誰かが声をあげることで、こうした悪しき習慣や文化について見直す機会がもたらされるメリットもある。今回のマリエの告発を一概に否定することはできない。

文:心理カウンセラー  吉田明日香

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