これは三年くらい前に同棲していた恋人の話。その彼は前に勤めていた会社の後輩。何度断ってもめげずに告白をしてくる彼の熱さに押し切られたような形で付き合うことにしました。すると、彼は「前々から憧れていた渚さんと付き合えてうれしい!」と飛び上がらんばかりに喜んでくれました。元々、年下の男性とはあまり付き合った経験はなかったんですが、思っていた以上に意気投合をしてすぐに同棲することになりました。
すると、彼は私に食べ物の好き嫌いや使っているシャンプーの種類、果ては香水や下着のブランドまで教えてほしいと言ってきました。最初は少しためらったのですが、私との生活を楽しいものにしたいという熱意に負けてあれこれと教えると、彼は完璧に私好みの部屋を作ってくれました。正直に言うとかなり驚いたのですが、彼がそれだけ私のことを大事にしてくれていると思うと嬉しかったです。
>>興奮するほど感情移入しすぎる男~本当にあった怖い彼氏~<<
ただ、一緒に暮らしていると少し疑問に思うことも出てきました。ある日を境に、彼が女性物の香水をつけてくる機会が増えたのです。最初は浮気を疑いましたが、相変わらず彼は私にベタ惚れ。じゃあ、どうして女性物の香水が…と疑問に思い、彼に理由を尋ねてみました。すると、彼は照れ臭そうに自分の荷物の中から、私が使っているブランドと同じブランドの香水を出してきました。なんと、彼は私にあこがれるあまり、香水やハンドクリーム、果ては下着までを同じブランドで揃えていたのです。一番びっくりしたのは、彼が買っていた下着が男性物ではなく、同じラインの女性物だったこと…。憧れが強すぎるからといって、少しやりすぎのような気もしました。
彼とは色々あって別れてしまったんですが、新しい香水や下着を買おうとすると未だにそのことを思い出します。
取材・文 篠塚まちね