昨年4月にレギュラー放送をスタートさせた『有吉の壁』は、コロナ禍にあって安心して家族で楽しめる番組として高い人気を得ている。橋本氏は、もともと有吉と「若手が活躍できる番組が作りたい」といった話をしており、それを実現させた。さらに、橋本氏は、有吉の一瞬で物事の本質を見抜く力を高く評価しており、それが名物企画の有吉の「壁を超える」〇✕判定に繋がった。
橋本氏は、今注目のテレビの作り手と言えるが、これまでにどういった番組を手がけて来たのだろうか。
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橋本氏は2003年に日本テレビに入社。自ら企画・演出を手がけた番組として、2015年の『マツコとマツコ』がある。マツコ・デラックスそっくりのアンドロイド「マツコロイド」を登場させ、さまざまなチャレンジに挑む。AI時代を先取りする番組だったと言えるだろう。半年で終了してしまったが、後番組として現在まで続く『マツコ会議』がスタートした。
2017年には、バカリズムの原案、脚本を元にした深夜ドラマ『住住』で監督を務めた。同じ深夜帯で、翌18年の『卒業バカメンタリー』も手がけ、脚本には『キングオブコント2014』(TBS系)で優勝しながらも、なかなかブレークに繋がらなかったシソンヌのじろうを起用した。
橋本氏は東京大学時代は落語研究会に所属しており、有名無名問わず、お笑いに対する関心が強いのだろう。さらに、ベテラン放送作家のそーたに氏は橋本氏について、「引き出しが謎」とも評している。マツコや有吉といった人気タレントを、独自の調理法で人気番組に仕立て上げる橋本氏の演出術は唯一無二と言えそうだ。