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工具を擬人化し、「ちょいダサ」を売りにダンスや歌を使ったコントを繰り広げるKOUGU維新はプラスドライバ(大津広次/乙ルイ)と平やっとこ(淡路幸誠/淡川幸一郎)を中心に結成され、その後、キリ(トム・ブラウンの布川ひろき)、鉄槌(トム・ブラウンのみちお)、巻尺(空気階段の水川かたまり)、紙やすり(四千頭身の石橋遼大)、砥石(ワタリ119)、丸ノコ(パーパーのほしのディスコ)、マイナスドライバ(パンサーの向井慧)、ギア(三四郎の小宮浩信)、トロ舟(かが屋の賀屋壮也)とメンバーを増員し、昨年大ブレイクを果たした。
「ブレイク芸人選手権」のオンエアの度にTwitterのトレンド入りを果たすなど、下半期に知名度を上げ、今年のさらなる活躍も期待される。KOUGU維新の生みの親であり中心メンバーであるきつねの2人にカレンダーの見どころや、今年の活動について話を聞いてきた。
ーー今回の日めくりカレンダーはどんな経緯で出そうと思ったのでしょうか。
大津:毎日メンテナンスということで、コンセプトとしては日頃から毎日、いろんなことがあると思うんですけど、1日に1回これを見るだけで、楽しい気持ちになってもらえたらいいなって。ファンの方の一瞬のほほ笑みのために作ったものです。
淡路:毎日めくるのがすごく楽しいのはもちろんの内容なのですが、これはきつねのカレンダーではなく、KOUGU維新のカレンダーでもあり、2人の今まで出ていない情報やプライベートの一面も垣間見れるような内容になっています。そういった部分でも楽しんでもらえると思います。
ーーKOUGU維新結成のきっかけについても教えてください。
大津:『有吉の壁』という番組の中で、『ブレイク芸人選手権』用のネタを考えてくれと言われて、2.5次元俳優の方々が刀に扮してミュージカルをやったりする『刀剣乱舞』などを参考に作ったものです。
ーーこんなに反響が出ると思っていましたか?
淡路:全く予想していなかったです。とにかくスベらないようにってやっていたのが、ウケて(笑)。こんなに不安なネタはなかったのに。
大津:スベりが逆にウケていたんです。笑いどころが明確にないネタなのが逆によかったのかなって思っています。
ーーKOUGU維新をやる前はきつねとしてどんな活動状況にあったんですか。
淡路:コロナの時期もあって、首の皮一枚という状況でもありました。だから、この『有吉の壁』という番組の存在はありがたかったです。いいタイミングで出させてもらって、KOUGU維新をやれた。感謝しかないです。
ーー最初にKOUGU維新のネタを披露した時、有吉(弘行)さんからは何か声をかけてもらえたりしたのですか。
淡路:ネタが終わった時のリアクションが「これダサすぎない?」って(笑)。それを聞いて、あ、僕らの狙ったところは届いたんじゃないかって思いました。うれしかったです。
大津:KOUGU維新とは別の時ですけど、『有吉の壁』の中で文化祭のネタで出た時もTwitterで取り上げてくださったり、そういう時は本当に芸人やっていてよかったって思います。
ーー最初は2人でやっていたのが、メンバーがどんどん増えていきました。
大津:目新しさを出そうと思ったんです。毎回ネタは新しくしないといけない。同じことをやっていてもダメなので、空気の入れ替え、展開作りを考えてそうなりました。
ーーパンサーの向井さんなど、そうそうたるメンバーが参加しています。
淡路:ファンの人にとってはこのキャラが好き、このキャラも捨てがたいって楽しみ方をできるので、よかったんじゃないかと思います。僕ら2人で展開するよりいいと思いました。
大津:人数が増えることより、その人が入ることでどう見え方が変わるかが重要。そういう意味でも大成功です。
ーー大所帯となった今、全メンバーで営業を回るといったことも可能になるのでは。
大津:みなさん、こんなことしなくても売れている人ばかり。それぞれが第一線で活躍しているので、なかなか定期的に営業を外でやるのは大変かもしれないです。でも、それでも昨年暮れにみんなでオンラインミュージカルをやれたりして、すごくプレミア感のあるイベントが打てたなって。
淡路:ファンの方を僕たちは親方様と呼んでいるんですけど、親方様が望むなら第2弾もやりたいとは思っています。
ーー今後はKOUGU維新としてどんな展開を考えているんですか。
大津:親方様たちのニーズにきちんと応えることが大切。面白いものをちゃんと作っていけるように頑張りたいと思っています。
淡路:もう一度見たいという人はたくさんいると思うんで頑張りたいです。
ーー今後メンバーに追加したい芸人さんはいますか?
大津:僕は2組いまして、からし蓮根のそらくん(杉本青空)と東京ホテイソンの2人です。
淡路:僕も2組。金属バットさんとジグザグジギーさん。金属バットさんはギャップがすごくいいんです。あんな日頃尖っている方がっていう感じのギャップ。メンバーになったら親方さんたちもみんな喜ぶでしょうね。ジグザグジギーは池田(勝)さんがすごくイケメンで。おぎやはぎのおふたりもいいなって思っています。
ーー既存のメンバーで印象的な人は誰ですか。
大津:パンサーの向井さんは僕らから声かけて出てもらっているんですけど、「恥ずかしいよ」って言われながらの参加なのに、いざ収録が始まるとバチンってスイッチが入って。プロの俳優さんみたいだなって。演技力も高くて、『コンスタンティン』のキアヌ・リーブスのような感じ。ハリウッド俳優みたいです(笑)。
淡路:ジャッキー・チェンにも似ているし、改めてその演技力は本物やなって(笑)。
ーーKOUGU維新を演じることで気づきのようなものはありましたか。
大津:演じることで別の人になるんじゃなくて、全員が同じものに近づくという体験ができるなって。自分が何か好きなものに近づくという経験をすることで満たされるものはありました。
淡路:女性がメイクして変わりたいという変身願望のようなものが俺たちの中にもあるんだなって気づけました。本来ならできないことができているんじゃないかなって。
ーーネタの中の歌も自分たちで作られています。
大津:昔の俳句とかを参考に、昔の季語なんかを取り入れたりして作るんです。いろんなものを見てやっています。来年は歌ものに関しては「アニマル演歌」とか、そういう新しいものも作ってみたいなって思っています。獣が演歌歌手を目指すとか。『ちはやふる』のような感じでやってみたい。
ーー最後に今年一年の抱負をお願いいたします。
淡路:KOUGU維新はもともとふわふわとあったアイデアを固めて作ったもの。昨年その第1章が完結したと思っているんです。第2章をどうするかはまだ考えていないんですけど、またそのふわふわしたものを固めていく過程で、親方のリクエストも取り入れつつやれれば面白いなって思っています。あと、願いがかなうならKOUGU維新として持ち小屋を持って、夏休み期間に公演をするとかもやってみたいです。
大津:僕はKOUGU維新でゴールデンボンバーさんのようになれればいいなって思っています。ああいう展開が生まれてそれぞれが羽ばたいていけるような環境ができればって。それで一年に一回、羽ばたいたみんなが集まって公演ができれば最高。ぜひ今年の僕たちの活躍を楽しみにしていてください。
(写真・文:名鹿祥史)
『日めくり KOUGU維新の毎日メンテナンス』
発売日 : 2021/1/15
出版社 : 講談社