作家の吉岡真紀(篠原)と、騒音を巻き起こす隣人とのご近所トラブルを描く本作は、12月4日の初日以後、3か月を過ぎてもロングラン上映を続けており、篠原はこの日、改めて客席を見回すと、「小規模で作った作品。みなさんの口コミが力」と呼びかける。
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天野監督も「口コミの力がすごかった」と客席に感謝の気持ちを述べ、「伊集院光さんや放送作家の鈴木おさむさんなどがラジオで話してくれたりもしたんです。松尾貴史さんもテレビで話してくださいました。そのほかにもお客さんと交流すると、職場の先輩に勧められたとか、友達に勧められたとか。それって一番いい形で広まっているなって」と嬉しそうに話す。
撮影中のエピソードが話題になると、篠原はヒロインの真紀役を演じた撮影を振り返り、「なんか(自分の)ドキュメンタリーを見るようでした。(ヒロインは映画の中で)世間から叩かれたりとかするんですけど、わたし自身も最近、そういうことを経験したりしたんです。予知夢みたいな映画だなって。自分に近い役だったと思います。だからこそ大切な作品になりました」としみじみとコメント。
新津も「わたしは役でいろんなことにチャレンジすることが好き。本当のわたしは臆病で、誰かに怒られるようなことはしない性格。でも、この映画ではおもちゃをひっくり返したり、白い壁に落書きしたりするという役どころ。この役を通してわたしも少し大胆になれたかなって思います」と笑顔で語った。
コロナ禍の過ごし方が話題となると、篠原は「コロナでトイレットペーパーが買えない時期があったんですけど、近所のおばあさんがトイレットロールがなくて困っているので、3ロール差し上げたりしました。そしたらお返しにメロンをいただいたんです。びっくりしました」とプライベートでのエピソードを披露。「コロナがきっかけで近所の方との距離が近くなった」と話し、充実の表情を見せていた。
(取材・文:名鹿祥史)