26日に放送された第6話の平均視聴率は8.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。これまでの全話平均視聴率は9.4%と高水準を記録している。
弱小団体のプロレスラー・寿一(長瀬智也)が能楽師で人間国宝でもある父・寿三郎(西田敏行)の危篤で、20年以上音信不通だった実家に帰り、再び能楽師をめざすというストーリー。しかし、介護問題や遺産相続を巡るトラブルなども描かれ、「リアリティがありすぎる」「プロレスラーと伝統芸能って一般人に関係ないと思いきや、実は誰にでも起こることだよね」と共感する声が相次いでいる。
※以下、ネタバレ含む。
一方、実は本作について、ドストエフスキーの名作『カラマーゾフの兄弟』のオマージュなのではないかという指摘が集まっているという。
『カラマーゾフの兄弟』といえば、物欲の権化のような資産家の父の元に三兄弟が集まるところから始まる物語で、父は息子たちに若い美女と再婚することを宣言。しかし、実は長男もその美女に思いを寄せており、女性の奪い合いや遺産相続を巡っていがみ合うことに。さらに家の使用人は実は三兄弟の腹違いの弟だということも判明するという流れになっているが――。
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「『俺の家の話』も、いがみ合いこそないものの、序盤で寿三郎がさくら(戸田恵梨香)との結婚を公表したり、実は寿限無(桐谷健太)が寿三郎の息子で、兄弟たちとは区別して育てられたという構造が一緒。また、ストーリー当初は遺産相続の問題も持ち上がっており、現在は寿一とさくらが恋仲になりつつあります。あまりにコミカルに描かれているため気づいていない視聴者も少なくないものの、一部視聴者からは『気づいてみればまんまカラマーゾフだ!』『みんな性格のいいカラマーゾフ…!』という声が集まっています」(ドラマライター)
また、『カラマーゾフ』のオマージュをここまでコミカルに演出したこと自体にも称賛が集まっている。
「『カラマーゾフの兄弟』は2013年1月期にフジテレビ系で同名でドラマ化され、市原隼人が主人公で次男を熱演。舞台を現代日本に置き換えて描きましたが、やはり始終雰囲気は暗いものでした。一方、『俺の家の話』は『カラマーゾフ』を骨子にしながらもとにかく明るく楽しめる作品。視聴者からは、『あの暗いドロドロの話をこんなに楽しめる作品にするってクドカンすごいな』『カラマーゾフを下敷きにプロレス、能、介護を混ぜて、でも最高に面白いって天才だ』と、脚本を務めた宮藤官九郎を称えています」(同)
果たして『カラマーゾフの兄弟』オマージュは最後まで続くのだろうか――。