松中氏は八代第一高、新日本製鐵君津を経て、1996年のドラフト2位(逆指名)でダイエーに入団。
1999年には23本塁打、2000年には33本塁打を放ちリーグ二連覇(1999年は日本一)に貢献。2004年には打率、本塁打、打点でトップに立ち三冠王を獲得。2005年にチームがソフトバンクに買収されてからも2006年に王貞治監督率いる第1回WBCに日本代表として出場し、打率.433で日本の優勝に貢献。しかし、怪我にも泣かされるようになり、持ち味である本塁打を2013年からソフトバンクを退団する2015年まで、1本も打てなかった。
ソフトバンク退団後、NPB復帰を模索したが、不調に終わったことから2016年3月に引退を表明。以降、テレビのゲスト解説などを務めていたが、2020年シーズンはプロ野球独立リーグ四国アイランドリーグplus香川オリーブガイナーズGM兼総監督に就任。将来は指導者になりたいという希望を持っていた松中氏なだけに、このオファーを受けたのだろう。2019年の12球団合同トライアウトにも選手獲得のため顔を見せていた。2020年10月1日に契約満了のため香川を退団。この度、ダイエー時代に30本カルテットとしてチームをともに引っ張ってきた井口資仁監督からの要請に応える形で、春季キャンプ限定の臨時ではあるが初めてNPBのコーチに就任する。
松中臨時コーチは「井口監督より直接お話を頂いて、このような機会を頂けたことに感謝をしています。私自身、NPBに育てて頂いたという想いがあるので、少しでも恩返しになればと思っています。マリーンズは若い有望な選手が多いというイメージです。これからのマリーンズを背負っていく野手が特に多いという印象を受けています。今まで自分がやってきた色々な練習方法や技術を若い選手に伝えたいと思っています」と語り、ロッテには安田尚憲内野手、藤原恭大外野手といった若手の二大主砲がいるだけに、松中臨時コーチも教え甲斐があるはずだ。
今年、井口監督はダイエー人脈で森脇浩司元オリックス監督を一軍野手総合兼内野守備コーチに入閣させており、リーグ優勝、日本一に向けた準備を着々と進めている。
(どら増田)