問題となっているのは、中田が自身のユーチューブチャンネルである「中田敦彦のYouTube大学」に昨年9月24日にアップした「【ヴィーガン①】世界中のセレブやスポーツ選手が注目している完全菜食主義(Vegan)」という動画。その中で中田は、ヴィーガンが環境問題と深く繋がっていると指摘し、世界の一部有名人がヴィーガンとなっていることなどを紹介した。
さらに中田は、ヴィーガンに対して「社会問題に声を挙げたいという人が多い」とし、「実は畜産業というのが大量消費社会と相まってとてつもないダークサイドも生んでいる」と指摘。その一つで挙げたのが、「飢餓」だった。中田によると、世界の飢餓人口は約8億2000万人いる一方で、穀物自体は年間26億トンあり、人類全員が飢えないだけの量があるという。しかし、その穀物は牛の飼料となり、その牛は裕福な人が食べているといい、「だから、飢えが止まっていない」と断言していた。
しかし、中田のこの動画について、月刊誌『農業経営者』副編集長で農業ジャーナリストの浅川芳裕氏は13日にツイッターを更新し、「中田敦彦氏が拡散する『飢餓を生むのは畜産業(家畜が食べる穀物のせいで)8億2千万人が飢えて死んでいるのが現実』は完全なデマ」と断罪。中田が挙げた「世界の飢餓人口約8億2000万人」について、「飢死でなく、国連FAOによる栄養不足人口(PoU)の推定値」と指摘した。
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また、浅川氏の以前のツイートによると、「世界の家畜のエサ60億トンの内、実に86%は人が食べられない牧草・作物残渣・食品ロス廃棄物」とのこと。浅川氏は「穀物が足りない飢餓説に基く『食料の安全保障』議論は1980年代に終わっており、国際社会は1990年代から『栄養の安全保障』にシフト。それは『活動的で健康的な生活を送るための食生活のニーズや嗜好を満たす十分で安全な栄養価の高い食品』(FAO)であって穀物ではない」と説明していた。
この浅川氏の指摘にネットからは、「話し方・構成など非常に上手な方なので、誤った内容でも正しく聞こえてしまう」「こんなことが繰り返されるとどの動画が正しいのか分からなくなる」「間違いを広めて金を稼ぐってどうかと思う」という声が集まっている。
毎回、参考文献をかみ砕いて説明するというスタイルを取っている中田の動画だが、これまでも何度かその信ぴょう性が専門家やネット上から指摘されている。今回も多くの呆れ声を集めてしまっていた。
記事内の引用について
中田敦彦公式ユーチューブチャンネルより
https://www.youtube.com/channel/UCFo4kqllbcQ4nV83WCyraiw
浅川芳裕氏公式ツイッターより https://twitter.com/yoshiasakawa