今年のドラフトでも、3位・松本隆之介、5位・池谷蒼大、6位・高田琢登と3人の左腕を指名した。その中でも188センチの体躯を誇る松本はスケールの大きさを感じさせる。現在ベイスターズ所属の左腕は外国人を除けば180センチが一番大きく、170センチ台の小柄ながら、ボールのキレで勝負するタイプが多いだけに、異質なタイプの松本は目立つ存在になりそうだ。
先日行われた横浜高校での指名挨拶では「真っ直ぐで押して行って、相手を圧倒するピッチングが持ち味。日本を代表するような投手になりたい」と最速152キロをマークするストレートを武器にバッターを“制圧”することが目標と明かしていた。
同席した吉田孝司顧問兼球団代表補佐も「真っ直ぐが速く放れるのは強み。フォームも綺麗で素晴らしく、ピッチングセンスもある。スケールの大きなピッチャーになってくれそうな気がする」と期待。また、練習を見終えた後、「クルマまで来てくれて『ありがとうございました』と言ってくれた」とその人間性も評価していた。
ベイスターズで活躍した先発左腕と言えば、球団唯一の100勝を挙げた野村弘樹氏を筆頭に、岡本透氏、土肥義弘氏らが活躍したが、大型左腕となると那須野巧氏、吉見祐治氏らしか思い浮かばない。また、いま現在も高卒は3人だけで、25歳未満は櫻井周斗だけとの構成となっており、吉田顧問も「高卒で左ピッチャーを育てたい。先発として井川慶のようになって」と、メジャー級の活躍に思いを馳せる。
名門・横浜高校から地元の球団へ進む松本隆之介。長身から投げ下ろす、角度ある自慢のストレートを、慣れ親しんだ横浜スタジアムのマウンドでのお披露目を心待ちしたい。
取材・文 ・ 写真/萩原孝弘