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Rina、Mariをモデルに、篠山の撮ったモノクロームの写真や映像の断片をつなぎ、繊細な音楽とともに一本の映像作品にまとめ上げた本作。篠山は「僕も今初めて見させていただいた。不思議な感覚。みなさん、逆にこれをどんな風に見ているのかなって思った」と満足げにコメント。映像編集は宮坂に一任したこともあり、「撮影は映画を撮るというより写真を撮るという感じでした」と感慨深げに撮影を振り返る。
記者からは「見たことがないものを見た」と称賛の声を受けたが、「見たことがないものを見たというのは嬉しい。写真と動画を合わせながらやるのは、実は2000年くらいからやっていた。この三人(自分を含め、各作品でパートナーを組んできた平本、宮坂)は優秀な三人。他の人とは比べ物にならない力を持っている。モデル2人も素晴らしかった。2人と出会えたことでこの作品が作れた」と自身は謙遜しつつ、制作スタッフとモデルを褒める。
「写真は死んだ時の記録。50年くらい写真をやってきて、写真と動画と音楽と編集とでっていう、こういう作品をスクリーンでかけるのも新しい表現。でも、現状はこういうのをなかなかかけてくれる劇場はない。(めげずに)またどんどんやっていきたい」と映像作品を作ることへの意欲も見せる。
モデルを務めた姉妹モデルの姉のRinaは、本作で美しいボディを披露。篠山については「その場の空気を変えてくれる人」と絶賛。「一年前、ちょうど撮影して、撮影の時、色々あったんです。たくさんの天気に恵まれたりして。雨の日や風の日、台風の日も。そんな中、先生にパワーを引き寄せてもらって、色々感じたものを表現させていただきました。音楽や、写真、映像が融合し、最終的に素敵な作品になっていることが驚き。みなさんに自由にストーリーを想像していただいて見てもらいたいです」と嬉しそうな表情。
妹のMariも「姉のRinaは前回も先生と一緒にお仕事をしたことがあって、今回が2作目。わたしは今回が初めて。撮影前とか、自分は篠山紀信に写真を取られるんだって全く想像できない状態で緊張しました。台風とか来て、本当に撮影できるのかって。現場に入っても空気に飲まれながら、姉になんとか食らいつこうって必死。『なんだこの現場は』って圧倒されもしました。そんな中、姉が撮り始めて、そこで自然と覚悟ができた気もします。ここでわたしも撮るんだって。無事完成したことをみなさんに感謝したいです」と撮影を振り返っていた。
(取材・文:名鹿祥史)