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エンゼルス・大谷が故障禍から抜け出せないワケ 高校時代から続く苦労、今季中の復帰登板も絶望か

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大谷翔平

 エンゼルスの大谷翔平の検査結果が発表された(8月3日/現地時間)。右屈曲回内筋群の損傷、投球再開まで4週間から6週間は要する。レギュラーシーズン最終戦は9月27日だ。今季中の復帰登板は「ない」と言っていい。

 「9月上旬、キャッチボール程度ならできるようです。そこからブルペン投球を始め、実戦に持っていくとなれば、レギュラーシーズンの後のポストシーズン・マッチにも間に合わないでしょうね」(現地メディア)

 「投手」は無理でも、「打者」としては様子を見ながらの起用になるそうだ(同時点)。しかし、大谷は怪我の多い選手というイメージもある。昨年はトミー・ジョン手術の影響で登板はゼロだった。その他にも、膝の手術も経験しており、高校時代まで遡れば、骨端線損傷、日本ハム時代も足首、左大腿二頭筋の怪我、渡米直前の2017年には右足関節有痛性三角骨の除去術も受けている。

 二刀流は「怪我との戦い」でもあるようだ。日本ハム時代を知るプロ野球解説者がこう言う。

 「若手時代は練習で苦労していたみたい。投手と野手の両方の練習をやらなければなりません。本人もそれを分かっていて、二刀流の道を選んだのですが、キャンプ中は、投内連携プレーを投手と野手の両方でこなすのが大変そうでした」

 当たり前の話だが、野球はサインプレーの競技である。投手の場合、球種、牽制などのバッテリー間のサインと内野手から送られるそれを覚えなければならない。中継プレーやカバーリングの高度な動きは当然だが、ここに「打者」として、攻撃面での作戦サインも覚えなければならない。

 「プロ野球も完全な縦社会なので、年齢、入団年度によって先輩・後輩が決まります。若手時代は雑用など練習以外にもやらなければならないことがたくさんあります」(スポーツ紙記者)

 現在は投手と野手で練習日を分けるか、どちらかに比重を置くなどしている。長老の一部プロ野球解説者が「走り込み不足」と非難する理由はこの辺にある。

 その意見には賛成しかねるが、メジャーリーグには全球団にデータ解析のアナリストが付いており、対戦投手の傾向や配球パターンが詳細に説明される。目を通さなければならないデータはかなり多く、対策に応じた練習が行われる。投手で出場する日は野手のミーティングには参加していないものの、大谷は通訳を介しているので他選手よりも時間が掛かってしまう。

 「近年、怪我が続いているので練習量が少なくなっています。ベストコンディションのつもりで体を動かし、それで筋肉を痛めているのかもしれません」(米国人ライター)

 ピッチングとバッティングでは負荷を掛ける筋肉の個所が異なる。

 米メディアも「大丈夫か!?」と心配する論調で今回の故障を報じていた。「焦らず、ゆっくり」と好意的な論調ばかりだったが、回復に要するのも「時間」なら、二刀流を高めていくのに必要なのも「練習=時間」だ。

 投手と野手、やらなければならないことかたくさんある。二刀流とは気苦労も二倍、大谷の完全復活はもうしばらく先になりそうである。(スポーツライター・飯山満)

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