この番組はもともと、2015年から深夜帯を中心に不定期のスペシャル番組として放送されてきた。しかし、4月からは水曜日の19時という時間帯でスタート。この放送時間は、これまでの番組内容に合わないのではといった懸念要素もあったが、まったく問題はなかったようだ。なぜ『有吉の壁』は好評なのだろうか。
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一つはお笑いネタに特化した点にある。バラエティ番組によくある、芸人同士が絡むひな壇トーク的な企画はない。芸人が仕込んだネタを有吉が純粋にジャッジして行く。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、通常収録ができなくなると、自宅からリモート出演をしてネタを披露するコーナーも登場した。コロナ自粛で家にいる人も多くいたが、「安心して楽しめる番組」として多くの視聴者に印象付けられることになった。
4月22日の放送では、再放送パート内で千鳥の「バカ殿」のリハーサル風景ネタがそのままオンエアされ、3月29日に亡くなった志村けんさんを思い起こさせる粋な場面も見られた。
何よりこの番組が好評な理由は、有吉自身の思い入れの強さもある。ラジオ番組『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(JFN系)では、若手〜中堅芸人にチャンスの場を多く用意したいといった意気込みが語られていた。ネタ番組が減少している現在、チャンスを掴みたい芸人たちにとっては貴重な番組となって行きそうだ。ギャラクシー賞受賞を受けての6月28日の放送でも、新しい試みを始めているとさりげなく触れていた。
放送開始から3か月、順調な滑り出しを見せた番組は、今後さらなる進化を遂げて行きそうだ。