のちに木梨は、趣味の芸術作品をさらに量産。個展も開催した。芸能面ではTBSラジオで「土曜朝6時木梨の会。」、インターネット番組GYAO!で「木梨の貝。」をスタートさせた。
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一方の石橋は、縁あるフジで「石橋貴明のたいむとんねる」という新番組でリセットを図ったが、思うように数字が伸びず、終了。装いも新たに今年4月期にスタートしたのが、「石橋、薪を焚べる」だ。番組コンセプトは、スロートーク。石橋本人が話したいゲストを迎え、たき火を前に本音トークを展開。往時を知る者なら拍子抜けしてしまうほど、落ちついたアラ還男の等身大だ。
初回(4月7日)のゲストならぬ“焚き人”は、同じお笑いタレントのカンニング竹山だった。だが、以降は、実業家、プロゴルファー、元メジャーリーガー、発酵学者や小児外科医などが登場しており、石橋の独断で招かれていることがよく分かる。
期せずして3密を避ける「屋外で焚き火」という番組主旨が功を奏し、初回から滞りなく放映中。おそらく、最小限のスタッフで収録しているのだろう。定点カメラによるカメラアングルも、実に簡素だ。
4月が竹山、5月はナインティナイン・岡村隆史、6月は博多華丸と、月1ペースで芸人が招かれているのも、石橋の意見を反映したものか。スロートーク路線に切り替わった“かつての暴君”を、スローダウンと見る節もある。しかし、日本のテレビシーンに貢献してきた石橋が徹頭徹尾、聞き役に徹するのだから、焚き人は心を開いてしかるべきだ。
今月16日のOA回は、華丸が焚き人。開始時に2人を包んでいたのは夕方のくもり空だったが、終盤では夜がふけていた。長回しの証拠である。これこそ、薪と石橋の相乗効果。火の揺らぎによる癒やしの効果で本音が口をついて出た結果、対話の時間が延びたのだろう。
薪という最強のタッグパートナーの力もある。だが、石橋にはインタビュアーとしての才能もあるようだ。
(伊藤由華)