これにより、石橋の地上波の定期的なレギュラー番組が消滅する。石橋はアンチも多いだけに、「とんねるず完全終了のお知らせ」「ざまぁ」的な声が集まるかと思いきや、意外にも番組終了を惜しむ声が聞かれる。ネット上では「この番組けっこう好きだったんだけどな」「クイズ、東大、グルメ情報ばかりの今のテレビの中では、見ごたえがある番組だった」「地上波じゃなくてもBSとかで続けられないかね」といった声が聞かれた。
『石橋貴明のたいむとんねる』は2018年4月にスタート。当初は元そのまんま東の東国原英夫、浅草キッドの水道橋博士など、毎回招いたゲストと80年代にまつわる思い出話をして行くコンセプトだった。柳沢慎吾が久しぶりに長尺の若山富三郎モノマネを披露した回や、ともに野球好きである伊集院光と「平成のスポーツ」を語り合う回などは神回と言われた。
だが、1年後の2019年4月からは番組内容に「テコ入れ」が入り、80年代ネタは後退し、グルメ情報などを取り上げるようになった。そこには、おぎやはぎ、カンニング竹山などおなじみの「石橋ファミリー」が登場し、「みなおか」を彷彿とさせる企画で、こちらも往年の石橋ファンには好評だったと言える。
ここ最近は、再び80年代ネタを取り扱うようになり、作詞家の松本隆を巡って爆笑問題の田中裕二とコアなトークを繰り広げるといった企画が行われてきた。こうした企画はメインターゲットである40代から50代の視聴者はもとより、サブカルチャーに興味のある若い世代の知的好奇心も満足させる番組となっていたのは確かだろう。
今の時代、こうした濃度のある番組を存続させていくのは難しいのかも知れない。