御大という立ち位置のMCが、有田。進行は、バイきんぐ・小峠英二だ。ここに芸人、女性タレントを加えて計4人が横一列で座り、目の前で繰り広げられる芸人のネタ見せをジャッジする。現在ブレイク中のぺこぱ、メイプル超合金も出演したため、低い確率ながらも売れっ子を生む。だが、番組の屋台骨を支えているのは、民放出演に恵まれない面々だ。その急先鋒というべきクレイジーすぎる芸人が、今年1月に出現した。ムラムラタムラだ。
連呼するフレーズは、「もっこりからの、りーもこちゃん」。細身の身体を包んでいるのは、赤色ベースのレオタード。ぜい肉ゼロのボディは悪くないが、ネタの重要なアイテムといえる自身の下半身の“りーもこちゃん”が必然的にやや浮き出る。額には赤いターバンを巻き、目には黄色い縁のメガネ。レオタードに差し色として入っている青色を、ソックスとそろえるコーディネートを地味に忘れない。
下半身には、脚の付け根から太ももにかけて肌色のパンツを履き、その上を同系色のブ厚いタイツがしっかり覆う。警戒心は万全だ。おそらく、ポロリ回避のためだろう。
というのも、「もっこりからの、りーもこちゃん」と発するたびに、腰を前後に動かし、最後は前に突き出すのだ。それを縦横無尽にステージで繰り返すため、ポロリの危険がはらむ。このアクシデントを食い止める策を講じているあたりが、実は真面目なタムラの本質とも思える。
しかし、実際の理由はそうではないようだ。レオタードの太ももの部位をビヨーンと伸ばし、人の頭部を素早く収めるためだ。犠牲になったのは、“有ジェネファミリー”の桐野安生。さらに、ゲストで憧れの芸人でもある陣内智則もターゲットにしてみせた。桐野にプロレス技を仕掛け、股間で顔を挟んだこともある。小峠のスキンヘッドをなめたこともある。
そんなタムラだからバラエティ界からオファーが殺到! …とはまったくならず、いまだ「有ジェネ」の“地獄のアングラ芸人”の枠から脱することができない。
品性下劣で、メジャー昇格を捨てた男。今、ネットと芸人を騒然とさせている。
(伊藤由華)