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コロナ自粛でアーティストに月105万円の支援を決めたドイツ 「創造性は勇気を与える」文化相に感動の声

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画像はイメージです

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、日本では多くのアーティストがコンサートやライブの中止を発表している。アーティストらの決断に世間から称賛の声が挙がる一方で、多大な損害を被っても保険が適用されないことを元HKT48の指原莉乃がテレビで指摘したり、政府からの支援がないことに対し西川貴教が自身のTwitterで苦言を呈していた。海外でもコンサートなどの自粛が続くが、ドイツでは新型コロナウイルスの感染拡大を受け、すぐさまアーティストらへの支援を発表したようだ。

 海外ニュースサイト『The Local』とベルリン投資銀行(IBB)のホームページによると、ドイツ政府は音楽家や画家といったアーティストらに金銭面で支援することを3月25日に決定したという。記事によると、従業員5人までの企業は3カ月間、最大9,000ユーロ(約105万円)、従業員が10人までの企業は、3カ月間、最大15,000ユーロ(約176万円)をそれぞれ受け取ることができるそうだ。受け取りの対象には、自営業者のほか、音楽関係の企業や個人で活動している音楽家、画家などのアーティストなども含まれる。

 個人で活動しているアーティストらは、多くの場合、前者の従業員5人までの企業に含まれ、3カ月間、最大9000ユーロの受け取りが可能となる。返済の必要はない。なお、ドイツには約500万人のアーティストがいるという。

 「ドイツで新型コロナウイルスが目に見えてはやり出したのは3月中旬頃。しかしアーティストたちは新型コロナウイルスの感染者がまだ数十人だった3月初旬からクラッシックの音楽家やポップアーティストが支援を求める署名活動をしたり、SNSで支援を訴えたりしていました。そういった動きがあってから政府はすぐに動き出し、支援を発表。署名活動が始まってから対応に至るまで、かなり早かった印象です」(ドイツ在住日本人)

 この政府の決定を多くのアーティストが支持しており、SNSではアーティストらから「ロックダウン中だけど安心して今後のことを考えられる」「ドイツで活動してきて良かったし、これからもそうしようと思う」「十分な金額ではないけれど、支援が決定したことは安心材料」といった好意的な声が挙がっていた。支援を発表したドイツの文化相の「我々は、画家も音楽家も作家も全てのアーティストが生き残ることを望んでいます。アーティストの方々から発せられる創造性やアイデアは、困難に直面している我々を勇気づけるものです。アーティストの方々の活動は我々が生きていく上で必要なものなのです」という声明に感動したアーティストも多かったようだ。

 「自分たちは支援を受けるべきではないと思っているのか、有名なアーティストはSNSでは支援についてあまりつぶやいていないようです。ドイツではフリーの画家や音楽家など、細々とやっているアーティストがほとんどなので、そういった人たちに行き渡るべきだと思っているのかもしれません。現在の文化相は、文化に対するリスペクトが特に強いという点もありますが、ドイツでは国民の声や不安に対し政府が素早く対応する姿勢が整っている印象です」(前出・同)

 ドイツではアーティストが市民の生活に欠かせない存在だと認識されているようだ。

記事内の引用について
「Germany agrees on economic package worth hundreds of billions in coronavirus fight」(The Local)より
https://www.thelocal.de/20200323/germany-agrees-on-economic-package-worth-hundreds-of-billions-in-coronavirus-fight
「Liquiditatsengpasse wegen Coronavirus」(IBB)より
https://www.ibb.de/de/wirtschaftsfoerderung/themen/coronahilfe/corona-liquiditaets-engpaesse.html

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