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神戸山口組 井上組長の側近起訴 “最終決戦”早期化の危険性

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提供:週刊実話

 山口組が分裂してから約4年半、戦局は目まぐるしく変化した。神戸山口組・井上邦雄組長を筆頭とする六代目山口組(司忍組長)からの離脱は、司六代目の“右腕”であり、組織運営を担う髙山清司若頭の社会不在中を狙って実行されたといわれる。そのため出所が近づいた昨年8月21日に、髙山若頭の別宅が隣接する三代目弘道会(竹内照明会長=愛知)の“神戸拠点”で起きた組員銃撃事件は、五代目山健組(中田浩司組長=兵庫神戸)の與則和若頭が、その数カ月前に刺された事件への報復であるとともに、髙山若頭の神戸における拠点を使用禁止に追い込む目的もあったとみられたのだ。

 この事件は、当初から山健組による犯行の線が囁かれた。のちに実行犯として中田組長が逮捕、起訴されるが、まだ捜査中だった昨年10月10日、髙山若頭の出所約1週間前に、週刊誌カメラマンを装った弘道会系幹部が、山健組本部の近くで組員2名を射殺。弘道会VS山健組による“報復の連鎖”が起きた。両山口組の本部を管轄する兵庫県警では、本部長権限により六代目山口組総本部を含む全11カ所に対する使用制限を緊急発令。取り締まりが強化される中で、髙山若頭の出所を迎えたのである。

 六代目山口組の分裂終結という目標を改めて示すかのように、昨年11月27日には神戸山口組の古川恵一幹部が、六代目山口組元組員によって射殺される事件が発生。直参が命を奪われたのは分裂後では初めてであり、衝撃が収まらぬ間に他の直参に対する“直接攻撃”も立て続けに起きた。

 事態は深刻化し、年明けには特定抗争指定の効力が発揮されて、兵庫県、大阪府、愛知県などの6府県10市が警戒区域に定められた。強い規制が両組織に掛けられたにもかかわらず、今年2月2日には警戒区域である三重県桑名市の髙山若頭の自宅に、銃弾が撃ち込まれる事件が発生。犯人は五代目山口組時代(渡辺芳則組長)に直系組織だった中野会(解散)の谷口勇二元組員で、その出身組織の関係から神戸山口組との繋がりも囁かれた。谷口元組員は3月17日に銃刀法違反の罪で追起訴され、今後、公判でその動機をどう語るのか注目される。

 だが、特定抗争指定によって活動が制限されようが、新たな戦術によって互いに攻撃を仕掛ける危険性が浮上。依然として予断を許さぬ状況が続いており、両山口組が沈黙を守ることで不気味さが増しているのだ。

 そんな中、警察当局による分裂問題への“介入”も顕著となった。六代目山口組の直参である植野雄仁・二代目兼一会会長(大阪中央)を、大阪府警が3月4日に傷害容疑で逮捕。神戸山口組への取り締まりはシビアで、井上組長の周辺を狙ったと思えるほどの逮捕劇を繰り広げたのである。

 同府警は恐喝未遂と傷害の容疑で逮捕、起訴していた九代目酒梅組・吉村光男総裁(大阪)を2月28日、山健組・藤岡宏文若頭補佐と共に恐喝容疑で再逮捕。3月19日、2人を起訴した。吉村総裁は井上組長と密接な関係にあり、藤岡若頭補佐に至っては秘書を務めている。しかも、いずれの事件も同じ被害者で、府警の思惑すらうかがえたのだ。

「被害者の男性はおよそ14年前に吉村総裁と知り合い、土地の開発資金として2億円を借りたといいます。しかし、返済のメドが立たず、今年1月に吉村総裁から催促されたそうです。昨年4〜5月には、1500万円を返済しているのですが、府警は恐喝に当たるとしています。この席に、藤岡若頭補佐も同席していたため、共に逮捕されたようです」(全国紙社会部記者)

 同時に、神戸山口組の関係先に家宅捜索を行ったというが、藤岡若頭補佐の逮捕には疑問の声も上がった。
「男性とプライベートな関係にあった吉村総裁が、藤岡若頭補佐に紹介したとみられるが、金を貸したのは吉村総裁やろ。せやのに、なんで藤岡若頭補佐まで逮捕されるのか不可解やった。府警は、突き上げ捜査を狙っとるのかとも思うたで」(ベテラン記者)

 特定抗争指定は、両山口組が分裂状態にある以上は延長される。つまり、神戸山口組が存続する限り、終わらないのだ。

「神戸山口組若頭代行を務める山健組・中田組長も不在を余儀なくされ、当局は弱体化を狙っている印象や。特定抗争指定によって分裂抗争は持久戦にもつれ込んでおり、さらに当局の攻勢が強まっていけば、神戸山口組の勢力に影響が出かねない。雲行きも変わってくるかもしれん」(同)

 吉村総裁と藤岡若頭補佐が起訴される前日、神戸山口組の関西圏の直系組長らが集まって、警戒区域外で“ブロック会議”を行ったという。さらに、山健組でも同日に執行部会を開いたといわれ、何らかの戦略が練られた可能性はある。

「約3年前に京都で六代目会津小鉄会の内紛が勃発した際、山健組直参たちが会津小鉄会本部に詰め掛けて乱闘に発展し、のちに京都府警によって傷害などの容疑で一斉逮捕された。山健組四代目を兼任していた井上組長と、中田若頭(当時)まで逮捕され、2人同時に不在となったことがあった。神戸山口組はそうした危機を乗り越えてきたのだから、今の状況にも対処できるのではないか」(業界ジャーナリスト)

 同じ3年前には、神戸山口組直参を含む山健組の3分の1が離脱して任侠山口組(現・絆會)を発足したため、トップである織田絆誠会長を狙って山健組系組員が射殺事件を起こした。

「勢力が減少した中でもヒットマンを出す体力があるというのを、ある意味、証明した格好だ。警察当局が分裂問題への介入の姿勢を強めていくのならば、それに比例して神戸山口組が六代目山口組に仕掛ける危険性も高まるはずだ。神戸側には、抗うという選択肢しかないのだから」(同)

 直近では、3月12日に栃木県宇都宮市で、神戸山口組・二代目木村會(山本彰彦会長=愛媛)の矢吹会関係者が襲撃される事件が発生。宇都宮では弘道会傘下組織との間で小競り合いが続いており、さらなる事件発生が懸念されている。

 また21日には、両山口組の直系組織が本拠を構える岡山県でも、不可解な出来事があったという。

「六代目山口組・二代目大石組(井上茂樹組長)と神戸山口組・池田組(池田孝志組長)が岡山市内に本部を置き、倉敷市には神戸側の直参である藤原健治舎弟頭補佐の三代目熊本組が拠点を構えている。今回、熊本組の幹部が所有する車両のフロントガラスが何者かに割られたと聞く。熊本組内でも寝耳に水だったようだから、個人的なトラブルだったのではないか」(他団体幹部)

 ただ、平成29年1月には、熊本組の横森啓一若頭の殺害を準備していたとする殺人予備の容疑で、井上茂樹・大石組組長らが岡山県警に逮捕(不起訴)され、岡山県内には不穏さが漂った。各地で対立の火種がくすぶっている状況に変わりはないため、依然として緊張状態が続いている。

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