『ニューヨークタイムズ』、『WSJ(ウォールストリートジャーナル)』、『ワシントンポスト』という米有力3紙の米国籍記者に対して、中国当局は、中国本土と香港における取材を認めず、2020年度のビザの更新はしないから「さっさと出ていけ」とばかりに中国から追放した。
「外国特派員の動静を見張り、通信を傍受し、記事を執拗に監視し、文句をつけるばかりか、時に脅し、それでも中国の要求通りの記事を書かないと国外に追放する。これが“言論の自由のない”中国のメディア掌握術です。こうしたことからも明らかなように、新型コロナの感染者数も死者数も、操作されていることは明白です。生産現場でラインが復活している事実もありません。それで臆面もなく『世界は新型コロナを沈静化させた中国に感謝すべきだ』とのたまわり、マスクや防護服、検査機セットを米国へ送り、イタリアとスペインにも救援特別チームを派遣したように、ヘタな三文芝居を繰り広げているのですから、呆れてアゴが外れそうです」(在日本中国人ジャーナリスト)
中国が明らかにすべきは、中国人の告発者たちがなぜ次々と失踪しているかだ。
「中国政府は今回のウイルスについて、湖北省武漢市のマーケット『武漢華南海鮮卸売市場』で売買された野生動物が原因と説明してきました。しかし中国の理系トップクラスの国立大学である華南理工大学・生物科学与工程学院の肖波濤(シァオ・ボウタオ)教授は、科学者向けの英字リポートに、武漢市が発生都市であることは肯定しながら、海鮮市場ではなく同市内の政府系ウイルス研究所2カ所のうち、いずれかからウイルスが流出して感染が拡大した可能性が高いとの説を提唱しています。しかしなぜか肖教授のリポートの原文は直ちに削除され、また同時に肖教授は消息を断ち、現時点でも安否は不明です」(中国ウオッチャー)
他にも『新公民運動』を提唱した法学者・許志永(シュウ・ヂィヨン)氏は、2月15日に当局に連行されたばかり。また“市民ジャーナリスト”を名乗り、大規模デモで揺れる香港や封鎖前の武漢市へ単身突入し、当局の妨害を受けながらSNSへ独自取材動画を投稿していた人権派弁護士・陳秋実(チェン・チウシィ)氏も2月6日を最後に音信不通のままだ。
良心的中国人は、故郷に住めないのだろうか…。