爆笑問題の田中裕二は、当初はアナウンサー志望だった。特にラジオ番組が好きで、もっとも憧れていたのは久米宏であった。高校では放送部に所属し、「ウーチャカ」名義で自らの番組を持っていた。みのもラジオアナウンサー出身で深夜番組『セイ! ヤング』(文化放送)のパーソナリティとして人気を博した過去がある。田中にとってみのの番組は一世代上だが、学生時代にはみのの古巣である文化放送でアルバイトをしており、意識する存在ではあっただろう。
田中はアナウンサーを目指し、日本大学芸術学部の放送学科を受けるも落ち、第二志望だった演劇学科に進学する。そこで、のちの相方となる太田光と出会う。
田中と言えば、若手時代から「仕切り能力」に定評があり、現在も『サンデー・ジャポン』(TBS系)などで活躍している。昔から天才肌の太田に対して、「じゃない方芸人」として扱われることが多くあったものの、親交のあった立川談志は太田に「田中は絶対に切るな」と明言していたという。
ラジオ番組『爆笑問題の日曜サンデー』(TBSラジオ系)では、2016年に亡くなった大橋巨泉氏が太田と、戦争や民主主義といったキーワードを巡って大バトルを繰り広げていたところに、田中が「告知はどうしますか?」とさっと割って入り、大橋氏からMC能力のうまさを評価されていた。こうしたひょうひょうとしたキャラは、みのにも通ずるものがありそうだ。
さらに、田中はテレビでは、そうした部分は強調していないものの、ラジオ番組の『爆笑問題カーボーイ』(同)では、かなり下ネタ話も披露している。ユーモアがある点もみのとの共通項と言える。
ポストみのもんたとして、田中が新たな中高年の人気者となる可能性は十分ありそうだ。