春の2冠は8、4着。不本意な結果だった。しかしこれには力負けではないはっきりした敗因があった。
「皐月賞はスプリングSを使えず順調さを欠いたし、ダービーはやっと良くなりかけた状態だった。そのダービーだって、前に行った馬が残る展開で、追い込んできたのはこの馬だけだったでしょう」と蛯名騎手は振り返った。
弱い部分や物足りない面はひと夏で飛躍的に改善されたという。実際、9日に行われた1週前追い切りは、美浦ポリトラックで6F77秒3→62秒0→48秒6→36秒3→12秒2と豪快。自己ベストのタイムを叩き出した。
「弱かった背中とトモに力がつき、体もひと回り大きくなってしっかりした。不安なところがなくなり、すごく良くなってますよ」。鞍上は確かな手応えを感じている。
課題は勝ち星のない右回りか。新馬、東スポ杯2歳Sと2勝はいずれも東京コース。しかし蛯名は不安をはっきり打ち消した。
「2着だった京成杯は落馬の影響をモロに受けたし、皐月賞はぶっつけの不利が響いた。決して右回りが下手で負けたわけではない」
3歳クラシックは一生に一度。最後の冠に悔いを残さないためにも、勝って西へ向かう。
【最終追いVTR】北Cコースで3頭併せ。5F68秒8→52秒6→37秒7→12秒9(馬なり)で併入した。先週、蛯名騎手でびっしり追われており、今朝は余裕残しの調整にとどめた。