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夜を棄てたキャバ嬢〜眩暈に苦しめられた香澄〜

 キャバクラ嬢は、出勤中以外も営業メールやアフターなどでプライベートの時間が削られる多忙な仕事である。そのため不規則な生活を強いられる嬢たちは多い。香澄(仮名・20歳)もまた夜の世界で働きだし、生活の乱れから健康を崩すようになっていった。

 「高校の頃から、街を歩くとキャバクラのスカウトばかり受けていたんで、いつか働いてみてもいいかなと思っていたんです。実際に働いてみて、お酒の味も大好きだし、出会ったことのない業種の人とおしゃべりするのも楽しかった」

 香澄は高校を卒業し、美容系の専門学校へ入学したが1年で中退。その後に始めたのがキャバクラの仕事だった。酔っ払いやセクハラの客には悩まされたものの、通常の接客はなんの問題もなく続けていた。だがそんな彼女に思わぬ不幸が襲う。

 「接客中、目の前に急に稲妻のような幻覚と眩暈が起こるようになったんです。この症状は中学の時にもあったんですが、ここ数年は治まっていた。なので再び発症してしまった時はショックでしたね」

 香澄の病名は『閃輝暗点』というものだった。片頭痛の前兆現象として知られ、眩暈や頭痛、吐き気を起こし、特効薬も存在しない。

 「私の場合それが起こる原因は不規則な生活だと思うんです。一番最初、中学の時に発症した際は、ちょうど受験シーズンで睡眠不足の日々が続いていましたから」

 高校入学後は規則正しい生活を続けたため、長年発症していなかった香澄。だがキャバクラの仕事では再び不規則な生活となり、眩暈を起こすようになったのだという。

 「この症状が出ると辛くて動けなくなるんですよね。だからもうキャバクラの仕事は続けられないなと思いました。この症状の原因は人によってそれぞれなんですが、多くの人は生活習慣が引き金になっているそうです」

 明確な治療法がないため、まず彼女はこれ以上身体に負担をかけないようにと、夜の世界の棄てた。現在は発症を抑えるために、規則正しい生活を心がけ昼の仕事をしているという。

(文・佐々木栄蔵)

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