新日本は来年の4月6日、『レッスルマニア』ウィークに、WWEのお膝元であるニューヨークのMSG(マジソン・スクエア・ガーデン)で、アメリカのROHと合同興行を開くと発表している。現地では「1万人の動員は確実」と言われるほど、既に大きな話題になっているという。新日本プロレスのメイ社長は「日本からもツアーを組む予定」だそうだが、MSGに『ザ・スコアー』が流れるのを想像しただけでも鳥肌モノだ。
ただ、こうした新日本による“アメリカ侵攻”の動きがWWEを刺激しなければいいが…。
今大会もいつものように、第1弾カードは外国人絡みのカードのみ発表している。
まず、Codyの参戦が決まっている。Codyは『G1クライマックス28』最終戦があった8.12日本武道館大会に参戦。IWGP USヘビー級王者ジュース・ロビンソンがG1で結果を出せてないことに言及し、挑戦アピールに発展した。ジュースは「G1に出てないお前に挑戦権はない」とコメントしていたが、結果的にCodyの主張が通り、ロサンゼルス大会でタイトルマッチが組まれた。
今年の1.4東京ドーム大会ではケニー・オメガがこのベルトを懸けて、クリス・ジェリコと対戦し、勝利を収めてベルトの価値は上がった。しかしその後チャンピオンとなったジェイ・ホワイト、ジュースに物足りなさがあるのは確か。ケニーと和解したことで、好感度を上げているワールドワイドなスーパースター、Codyが挑戦することで、再びこのベルトの価値を高めてもらいたい。
また新日本のアメリカ大会には欠かせないヤングバックスの出場も決まっている。ヤングバックスは、バレットクラブOGのタマ・トンガ&タンガ・ロアを相手にIWGPタッグ選手権試合を行う。8.12武道館大会では、NEVER無差別級6人タッグ王座を奪われており、本職のタッグのベルトまで獲られるわけにはいかない。タマ&タンガも同王座を3度も戴冠しているだけに、「自分たちのベルト」という意識が強い。不気味なのはバレットクラブ内紛の黒幕という噂もあるトンガ兄弟の父、キング・ハクの存在か?
発表された残り1試合は、高橋ヒロムがベルトを返上したIWGPジュニアヘビー級の王座決定トーナメント1回戦、ウィル・オスプレイ対マーティ・スカル。この試合は、世界中の誰が見ても楽しめるだろう。
今大会もチケットの売れ行きは好調。配信サイト「新日本プロレスワールド」を通じて世界中に生配信される予定だ。
内藤哲也の人気はアメリカの会場でもすごいものがあるし、鈴木みのるの入場時には『風になれ!』の大合唱も起こる。棚橋弘至は新日本の象徴として見られ、獣神サンダー・ライガーにはレジェンドとしてリスペクトの眼差しが送られる。純粋なアメリカのファンの心をわしづかみにして、来春のMSGにつないでほしい。
取材・文・写真 / どら増田、萩原孝弘