黒服に連れられ、店に入った瞬間、しまったとヤラれた気分に強く襲われ、かなりテンションがダウンした。ハコ=店内が非常に狭く、6卓程度で、キャバ嬢が2人だけだった。平日ならまだわかるが、土曜の夜でキャバ嬢が2人だけしかいない店は経営的にかなり厳しいだろうな〜と、さらにテンションが下がっていく。当然、他の客はゼロで、かなり気まずい感じだ。
最初に席に着いたマイコ(仮名)は華やかでボリュームのアゲ盛りヘアーが凄く似合っている。派手なメイクとセクシーな目つきがドキっとさせる。サバサバしたキャラのコで、特に色っぽい方向の話題もなく、普通に会話を楽しんだ。いや、楽しんだフリをしてたかもしれない。
なぜなら、もう1人待機しているキャバ嬢がかなりイタイ感じに見えたからだ。今、会話しているコがチェンジしたら、あの痛いコが席に着くんだろうなと想像するだけで胃が重たくなった。
案の定、痛いコの出番がやってきて、近づいてくるたび、本当に逃げ出したくなる衝動に襲われた。冷静なフリをしているのはツライ。明らかに笑う時も、無理に頬を引っ張ってる感じで自分でも目が笑ってないなと感じるほど無理をしていた。これでは口説く以前の問題だ。
安易な自分を恥じつつ、反省しつつ、この夜もまた、キャバ戦記には敗北のチェックがまた1つ…呼び込みの誘いには絶対に乗らないと心に誓った。