三洋電機女子バドミントン部のエース・小椋久美子が、体調不良により12日、現役引退を発表した。引退会見によると小椋は、かねてから抱えていた腰痛、右足首痛に加え、故障が続いたことによる心労で胃炎を発症。特に胃炎に苦しみ続けたことが直接の引き金になり、10月に引退を決意したとのこと。
思えば、北京五輪後にコンビを解消した「オグシオ」の二人がそれぞれに歩んできた道のりは、まさに好対照そのものだった。「オグっち」と7年コンビを組み続けた「玲ちゃん」こと潮田玲子は、五輪終了直後の当初は即引退→スポーツキャスターとして芸能界転身が既定路線と見られていたが、池田信太郎との混合ダブルス「イケシオ」を結成し現役続行。同時にフリーアナウンサー事務所「セントフォース」とマネジメント契約を結び、現役として12年のロンドン五輪を目指しながら芸能活動も並行する。そしてプライベートではチュートリアル・徳井義実に元ラグビー日本代表の青年実業家と、常に恋の噂が絶えないモテモテぶり。オグシオフィーバーが頂点だった北京五輪が終了した後も、常に華やかな話題を振りまき続けるヒマワリのような存在、それが「シオ」なのだ。
一方、「オグ」の“アフター北京”は苦難の連続だった。一時期引退も検討し、迷いを見せていた潮田よりもいち早く現役続行を宣言し、バドミントン一筋の姿勢を見せたものの、前述の通り、腰痛に足首痛とコンディションが悪化。昨年はなんと、一度も公式戦に出場できなかった。そしてストレスで胃炎まで発症し、ボロボロのまま引退−−。引退会見での涙には、計り知れぬほどの無念さが漂っていた。
アイドルデュオ「オグシオ」と並び称されてはいたものの、正直なところ、人気面では常に潮田の後塵を拝していた小椋。常に派手な話題でメディアを賑わす潮田と比較すると、いわば月見草のような存在だったともいえる。引退後もOLとして三洋電機に残るという選択も、「名よりも実」のバドミントン人生を送ってきた彼女にふさわしい。これまでロマンスの面でも潮田に後れを取っていた小椋だが、今後はこれまでの人生同様の実直な恋愛・結婚で幸せを掴んでもらいたいものだ。