千葉ロッテ時代の2010年。チームをシーズン3位からクライマックスシリーズを経て日本一に押し上げ、自身も206安打、首位打者、最多安打のタイトルを達成し、メジャーリーグのミネソタ・ツインズに移籍するなど、華々しい活躍を見せた西岡だが、その後は苦難の連続。
移籍間もない試合で「併殺崩し」のスライディングを受け故障し、戦線を離脱すると、復帰後は凡ミスを連発。「日本人内野手」の評価は、大きく落ちることになる。さらに、私生活でも妻の徳澤直子が妊娠中、アメリカに元グラビアアイドルを呼び寄せ、不倫していたなどと報じられ、人間的な信用を落としてしまう。
2013年に半ば都落ちのような格好で阪神タイガースに復帰するが、初年度こそレギュラーに定着したものの、2年目以降は故障に悩まされ、戦線を離脱することが多くなる。2016年にはアキレス腱を断裂し、引退を決意したと言われるが、直前で翻意し現役を続行。
しかし、高いパフォーマンスを出すことはできず、2018年は糸原健斗ら若手の成長に押され、ほぼすべてのシーズンを二軍で過ごすことになり、戦力外通告を受けることなった。
戦力外通告を自身のInstagramで報告した西岡は、現役続行の意思を見せており、今後オファーを待つ模様。しかし、ある野球関係者は、かなり厳しいのではないかと指摘する。
「西岡は若い頃遊び人で、素行を問題視する声がある。2009年の第二回WBCでは、当時絶頂期で第一回に出場したこともあり、代表に当然選出されると思われたが、落選。一部には第一回大会での態度が悪かったためと囁かれています。
現在は『改心』したとのことですが、過去に一悶着あった選手は再雇用されにくい。特に最近はコンプライアンスも厳しくなっていますから。今年引退した村田修一も、巨人では若手の面倒見がよく外様ながら選手会長にも選ばれているのに、引き取り手がなかった。これも、若い頃の野球に対する態度が要因といわれています。
村田の場合はそもそも態度が悪かったという話自体も怪しい。そうであったとしても、改心するエピソードはたくさんあり、実力を考えても獲得するチームはあるはずだった。しかし、若手への影響などを考え、二の足を踏んだ。
西岡についても同様で、改心していたとしても、若い頃のよろしくない評判から、各球団が獲得を見送る可能性が高い。また、アキレス腱断裂後明らかにパフォーマンスが落ちていることもマイナス材料です」
本当に獲得する球団はないのか。前出の関係者はこう語る。
「人気低迷の巨人ならあるかもしれません。なんだかんだ西岡は知名度を持っており、人気が高い。看板選手のいない巨人が欲しがる可能性は十分。
また、巨人は3軍を設けており、育成選手を多く獲得している。本人のやる気や態度を見極める意味で、低年俸の育成契約から這い上がるよう促すことが考えられる。
古巣のロッテは鈴木大地や中村奨吾など若い内野手が台頭しており、西岡は必要ないでしょう。セカンドのレギュラーが流動的な巨人が、現実的なのでは」
まさに「手負いの虎」となった西岡剛。今後彼がNPBの舞台に立つことはあるのだろうか?
文 櫻井哲夫