東の若武者・津村騎手のそつのない手綱さばきに導かれ、7番人気の伏兵タマモサポートが、2年6カ月ぶりに重賞をゲットした。
レースは当初、単騎逃げが予想されていたコンゴウリキシオーに、シンボリグランが“ちょっかい”を出しに行ったことで、前半1000メートル通過は57秒9と淀みのない流れとなった。好発から好位のインにつけたサポートは前2頭を見ながら、気持ち良さそうにスイスイと追走していく。そして、迎えた直線。鞍上がゴーサインを送ると、それを待ちかねたように一気に弾け、後続を2馬身封じ込めた。勝ち時計は1分32秒9(良)。開幕2日目とはいえ、タイムも堂々たるものだ。
これでキャピタルSに続き、2連勝。藤岡健調教師は「掛かり癖が解消され、折り合いがつくようになったことが大きい。終い確実に伸びるようになったからね」と円熟味を増した愛馬にご満悦。「この後は東京新聞杯(GIII、東京芝1600メートル、31日)にいきます」と次なるターゲットを挙げた。
一方、殊勲の津村騎手は、この日がうれしい23回目の誕生日。最高のプレゼントを自ら演出してみせた。「道中はスムーズに流れに乗ることができました。あとは気を抜かさないように、しっかりと追いました」。抜け出したラスト1F過ぎでは、すでにセーフティーリードを保っていたが、「最後は思わず誰も来ないでくれって、心の中でさけんでました」と照れくさそうに振り返った。
4日の中山金杯では、同期の川田がアドマイヤフジで優勝を飾ったばかり。しかも、その日は1鞍のみの騎乗だった。奇遇にも、津村もサポート1頭のためだけに、この日は遠征していた。一発勝負でタイトルを射止めた同期の活躍が起爆剤となり、会心の騎乗を呼んだのかもしれない。