まず、候補に挙がるのは渡辺麻友、松井珠理奈(SKE48)、島崎遥香の3人。
渡辺は前回の総選挙で第2位。人気面では申し分ない。ソロデビューも果たし、すでにAKB48の中心で活躍している。また、本人も今年の総選挙で、「来年また総選挙があれば、私は1位を獲りたいです」と力強く宣言。意欲満々といったところだろう。
松井珠理奈は、SKE48に加入当初から、シングルCDで当時の絶対的エースであった前田敦子とともにWセンターに抜擢される。今年の3月からはAKB48の兼任メンバーとなっている。何よりも彼女の魅力はまだ15歳という若さ。また、もっとも秋元康氏のお気に入りとも言われているメンバーでもあり、SKE48では結成当初から、センターをつとめている。
島崎遥香は、AKB48に9期メンバーとして加入。“ポンコツ”との愛称で親しまれ、最近では、主要メンバーとともにメディア露出が非常に増え、第3回じゃんけん大会では、見事に運だけでセンターを勝ち獲っている。また、何事にも動じないその姿勢が一部では、もっとも前田敦子にタイプが似ているメンバーともウワサされている。結果として多くのアンチの攻撃を真正面から受けなければいけないエースにとって、もっとも必要とされる精神力が備わっているようだ。
以上の3人が、メディアで、エース候補と呼ばれることが多いメンバーだが、彼女たちの中から絞りきれないのは、問題点もあるからだ。渡辺は、3期生で、AKB48の中ではかなりの古株。年齢の割に新鮮味に欠ける。また、ファンの中では、「自身もかなりのアニメヲタである彼女は、ヲタ向けのメンバーで、一般向けではないのでは」との意見も。松井珠理奈は、健康面が心配されている。昨年から体調を崩すことが多くなり、今年4月には入院。また、11月1日に行われる新生チームKの初日公演も体調不良で欠席することが発表された。島崎遥香は人気面に課題が残る。今年の総選挙では第23位。さすがに、20位台のメンバーを“エース扱い”するのは無理がある。最低でも、来年10位以内に入らなければ、エース候補からは陥落するだろう。
そんな決め手のない中、新たにエース候補と注目を集めているのが川栄李奈だ。10月31日に発売されたシングル『UZA』で新チームAのセンターを渡辺麻友とつとめている。川栄は11期生としてAKB48へ加入。比較的、新規のメンバーであり、またルックスも17歳とは思えないあどけなさがあるため、フレッシュなイメージとしては、抜きんでた存在であるが、これまで総選挙で一度も順位がついたことがなく、島崎と同じくまだ人気面が追いついていない。彼女が今後、AKB48のエース候補になり得るかは、来年の総選挙の結果を待つ必要がある。
混戦状態の次期エース争いだが、この問題は実は営業的にも非常に重要だという。
「これまで絶対的エースとして君臨していた前田敦子をどうにか倒してやろうというパワーが、総選挙でCDの売り上げを伸ばしていた面もありました。そのパワーがAKB48を躍進させた原動力でもあったはずです。倒すべき存在がいないとファンも総選挙に夢中になれなくなるのでは」(アイドルライター)
果たして、次期エースは誰になるのか。結果はもう少し待たなければいけないようだ。