先週の中山記念は◎ローエングリンが復活の逃げ切り勝ち。「大好きだった馬。いろいろあったけど、やっぱり素晴らしい馬でした」と涙で語った後藤騎手。同馬の主戦を務めていた2003年、仏遠征したムーラン・ド・ロンシャン賞(GI)で半馬身差2着し、日本馬の強さを世界に証明してみせたが、続く天皇賞・秋(2番人気)ではテンから大暴走して13着に惨敗。それ以来、降ろされた形になっただけに、喜びもひとしおだったのだろう。
柳の下にドジョウが2匹いるか、いないか。オーシャンSはその後藤が手綱を取るコパノフウジンに白羽の矢を立てた。
ここ3戦は(15)(10)(14)着と凡走しているが、ケイコの動きを見る限り、調子落ちは皆無。今週の坂路ではラスト1Fだけ追われて12秒7。併走馬をあっという間に1秒2ちぎってみせた。「前走で増えていた体は戻ったもの。期待外れだったが、ゴチャつく展開が響いたみたい。荒れた馬場も良くなかったね。デキはいいので、スムーズな競馬なら」と宮師は巻き返しを期していた。
実力のほどは、京阪杯で今回も人気を集めているアンバージャックにわずか0秒1差の2着していることで実証済み。3角から先頭に立って、粘りに粘ったレース内容は負けて強しと思わせるものだった。
当時、55kgだったアンバーが2kg増の57kgになるのに対し、こちらは56kgのままと斤量面がぐっと有利に。さらに、中山の芝1200mはクリスタルC2着、オーシャンS2着など、<1200>と得意にしている条件だ。
電撃の6F重賞の割に何が何でもハナという馬は見当たらず、ペースは落ち着きそう。このメンバーならスピードの絶対値の違いで難なく好ポジションが取れるはずだ。開幕2週目で馬場状態もいいとなれば、能力全開は間違いなしだろう。2週連続で実力馬復活が見られそうだ。