ムタは、10月のハッスル両国大会に姿を現したものの、その後の行方は分からなくなっていた。
代理人を務める武藤によれば「魔界からの玄関を間違えてハッスルに出ていたからな、面くらっちまってるよ。また魔界に戻ってると思うんだけど、連絡とれなくなっちまったよ」と頭を抱えた。
無理もない。ムタは台湾の現地プロモーターからの要請もあり、出撃することになっている。しかし2週間後に控えた段階で行方不明では、興行に穴をあける可能性もある。
それでも武藤は「チャイニーズ・ムタは(去年)台湾に視察に行って生まれたわけだからな。里帰りすると思うよ」と代理人として責任を果たすことを誓約。台湾方面を見やっていた。
この日は、横浜市内にある重度重複障害者施設「みどりの家」を訪問した武藤は綱引きや写真撮影、サイン会などをこなし「オレらが来ることによって、喜んでくれてレスラー冥利(みょうり)に尽きるよな。また明日からがんばろうというエネルギーをもらった」と語っていた。