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北朝鮮騒乱 金正恩「暗殺未遂」クーデター(2)

 韓国公安関係者が続ける。
 「実は正恩が雲隠れする前には、『近く、クーデターが起きる』との情報が錯綜していた。というのも、正恩は昨年、張成沢元国防副委員長とその側近を次々に処刑。中国との貿易利権を一手に握っていた張氏の粛清に激怒した習近平主席が、北朝鮮への支援を打ち切る一方で、暗殺を指示したとの話が広まったのです。故に今回の第一書記の重篤ぶりは、中国の息のかかった軍の一部と張一派の残党が起こしたクーデターで、それが勃発半ばで鎮圧された結果ではないかとみられているのです」

 何とも恐ろしい話だが、実際、こうした情報は他からももたらされている。語るのは、米国の動向にも通じた日本の公安関係者だ。
 「『軽度の脳梗塞』との話がある一方で、『両足にヒビが入り、治療を受けた』との全く異なる情報も韓国筋には寄せられている。実際は、何が原因で金正恩が重篤なのかわからない状態なのです。だが、韓国より先にこの情報を入手した米CIAは興味津々。もしも二つの病状が同時に起きるとすれば、それは暗殺事件しかないとして、正恩が入院する平壌市内の『峰火診療所』を連日スパイ衛星で監視。9月下旬に診療所を訪れたロシア、イギリス、ドイツの混成医師団メンバーの素性を洗っているのです」

 要は、米国も金正恩の病状とその要因に重大関心を示しているのだが、北朝鮮政府が沈黙を守り続けているために、いまだその裏付けとなる確証が得られていない状況なのである。
 もっとも、気になるのはこの驚愕のトップ人事を断行した北朝鮮が、今後どうなるのかという点だろう。
 軍事ジャーナリストがこう分析する。
 「金与正の国務代行選出後、9月25日の最高人民会議で、金正恩の最側近とされる黄炳瑞朝鮮人民軍総政治局長が、国家最高指導機関である国防委員会の副委員長に選出された。これを見る限り、黄氏が与正を陰で操る体制が組まれたことは確実で、それは正恩が国務から遠ざかる期間が長いことを意味している。最高人民会議に出席するため訪朝した朝鮮総連議長が、いまだ日本に戻っていないのも国内が緊迫と取れ、北朝鮮の騒乱は予断の許さない状態が続きそうです」

 また、前出の外務省関係者が言う。
 「日朝合意で進められた拉致問題協議は、9月末までに調査内容が日本側に通知されるはずだったが、これが先送りされたのは陣頭指揮を執っていた金正恩が病に倒れたから。省内は『もはや拉致問題が進展することはない』と見ており、暗礁に乗り上げることが確実視されている。場合によっては、今後軍部が暴発する可能性もあるのです」

 金王朝の没落で、指針を欠いた北が暴発しないことを祈るばかりだ。

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