レッドアゲートが勝つべくして勝ったレースだった。道中は前半1000mの通過が61秒1とかなり落ち着いた流れになった。開幕週で前が止まらないことを考えれば、これまでの後方待機策ではまず届かない。しかし、「馬場は昨日の雨の影響もなく、いい状態だったので、中団より前につけたかった。返し馬の感じが良く、いいキャンターを踏んでいたので、これなら好スタートが切れると思った」というジョッキーの思惑通りにことは運んだ。
「3〜4角でもスルスル上がっていけたし、あとはどれくらい伸びてくれるか、だけだった。いつもなら逃げ切られるパターンだったけど、あそこ(坂上)からよく伸びてくれた。勝つときはすべてがうまくいきますね」。JRA移籍後、初めての重賞勝ちに最高の笑顔を見せた内田騎手。オークスへ向けても「いい脚が長く使えるし、根性、闘争心もあるから馬込みに入れても出てこれる」と手応えをつかんでいた。
一方、桜花賞3着のソーマジックとともに、樫へ愛馬を送り出すこととなった田村師は「前走でくやしい思いをしたし、桜花賞をスキップしてオークス一本を目指していたから、負けられないと思っていた」とまずはホッとした様子。
「前々走の東京二四で牡馬相手にいい競馬をした時点で、ハッキリと(オークスを)意識した。小柄な牝馬だが、暖かくなってからカイバをモリモリ食べているし、古馬の男馬と同じ調教メニューをこなしている。いまは体調がすごくいい。追われる立場になるが、うれしいね」と本番へ期待に胸を膨らませていた。
強い馬が勝つ。―当たり前のことが当たり前に終わらない、混迷を極めている今年のクラシック戦線に、ようやく出口が見えてきた。