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【雅道のサブカル見聞録】“オタクの聖地”がアキバからシブヤへ!?

 アイドル、アニメ、ゲームなどのオタクカルチャーの発信基地といえば現在は秋葉原だが、90年代始まりまで、その役目はオタ向けショップが多かった渋谷が担っていた。だが、チーマーの増加とギャル文化ブームにより渋谷のオタク文化は衰退、現在に至っている。しかし、最近、その流れに変化が起きつつある。今年の8月、アニメイト渋谷店が桜ヶ丘町からセンター街近くのBEAMに移転し、店舗を大型化。そして先月には23日には、タワーレコードの渋谷店がリニュールアオープン。アイドルやアニメ関連の商品が強化された。

 タワーレコード渋谷店は以前にリニューアルされた新宿店と同じく、アイドル、アニメ関連のCDに専用コーナーを設け強化。特にアニメは以前のように邦楽コーナの片隅に細々と商品を置いてあるのではなく、アニメ関連の書籍コーナーも隣接される他、初音ミクなどのVOCALOID(ボーカロイド)のコーナーも別に設置される優遇ぶり。さらに、今まで邦楽歌手中心だった地下のライブ施設も、アイドルやアニメ関連のイベントを強化するなど、CD販売以外の面でも充実が図られている。このタワーレコードの変化は、社長の嶺脇育夫氏が知る人ぞ知るアイドルオタクであることが関係しているだろう。自社でアイドル専門レーベルを立ち上げしまうほどの社長で、実際に自ら立案して、オタ向け商品を強化した新宿店は成功している。その成功を受けて、渋谷店も新宿店と同じように強化するならば楽しみだ。

 渋谷のタワーレコードが変わったことにより、渋谷を利用する人たちに新たなハイセンスカルチャーとして、アイドルやアニメを強く印象付ける可能性を秘めているだろう。そうなれば、更にディープなオタカルチャーも受け入れられやすくなり、商品展開の幅はさらに広がるはずだ。

 アニメイト、タワーレコードと最近の渋谷の変化をみると、“オタク聖地”から“観光地”へと変化する秋葉原とは対照的。近い将来、オタクカルチャーの発信基地を渋谷に返す日がやって来るかもしれない。(斎藤雅道)

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