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メディア界がこぞって触手を伸ばす尾畠春夫争奪戦のハイエナ商魂

 テレビ界を筆頭に、芸能プロダクションまでが触手を伸ばし始めたのが、“おばたのおじいちゃん”として一躍、時の人となったスーパーボランティアの尾畠春夫さん(78)。連日、自宅前には企画書や契約書を手にした業界関係者らが行列を作るほど。

 これほど脚光を浴びたのは、8月12日から行方が分からなくなっていた山口県周防大島町の藤本理稀ちゃん(2)を見事、救助したことだ。

「行方不明になって3日目。まさにギリギリの状態といってもいい。尾畠さんがすごいのは、地元の警察・消防が200人体制で捜しても見つけられなかった理稀ちゃんをわずか30分で発見したこと。これまでのボランティア活動の経験から、子供は道を下らずに山に登ると直感で感じたというんです。まさに経験則ならではの活躍だった」(捜査関係者)

 だが、この話にはさらに続きがあったのだ。
「今回の一件で尾畠さんの潔い生き方が、改めてクローズアップされたんです。救助された理稀ちゃんの親から食事やお風呂を誘われても断固、拒否をする。謝礼なんてもってのほかです。理由は、ただのボランティア活動の一環だから。さらにボランティアに専念する理由を、『学こそないが、社会に恩返しがしたい』と語り、65歳から活動を始めている。事実、各テレビ局が裏を取ってみると、確かに東日本大震災や熊本地震などでボランティアに勤しむ尾畠さんが、必ず映り込んでいるんです」(事情通)

 こうした尾畠さんの滅私奉公の姿勢が日本列島を感動に包んだのだが、そんな美談を食い物にしようとしているのが、冒頭のメディア関係者だという。

「テレビ、広告界、出版社と引く手あまたの状態。テレビに出演すれば視聴率がとれる。CMに起用すればイメージがいいため、スポンサーが喜ぶ。出版も出せばミリオンセラー間違いなし。さらにマネジメントで一儲けしようとする芸能プロがハイエナのごとく集まってくるんです。まさに、尾畠さんの美談を札束ではたくような話ですよ」(大手広告代理店幹部)

 現在までのところ、尾畠さんはボランティア活動に集中するため、こうしたオファーを、すべて断っているという。
「でも、実際の出演料を聞いたら興味を持つのでは…。テレビのゴールデン&プライム帯のギャラは100万円〜。CMは1000万円〜。出版も人生論などを出せば、相当の印税額が見込めるんです。これは言いたくありませんが、注目されている今が売り時なんです」(テレビ関係者)

 それでも世俗の垢にまみれることなく、己のボランティア道を貫いてほしいものだが…。

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