五輪出場を懸けた「アマチュアボクシング女子世界選手権」(中国・秦皇島)での組み合わせ抽選会が、5月11日に行われ、しずちゃんは1回戦は不戦勝、2回戦でシャフトーザ・ニザモワ(ウズベキスタン)と、14日に対戦することが決まった。
当初、日本連盟は五輪出場の条件はこの世界選手権でのベスト8と認識していた。ところが、10日の監督会議で通達されたのは、各階級に大陸枠が設けられており、ミドル級に関してはアジア枠はわずか1しかないことが分かったのだ。国際アマチュアボクシング連盟(AIBA)の理事の大半は欧州勢で占めており、英国開催の五輪ではアジアに厳しい条件が設定されたことも考えられるという。
ミドル級へのエントリーは40人で、うちアジア勢が11人。このなかでは、世界ランク32位のしずちゃんより、ランクが上位の選手は3人いる。トーナメントのなかで、しずちゃんはアジアで最上位に立たなければならず、当初のベスト8より、ハードルが上がった。
ただ、世界選手権でアジア最上位に入れなくても、いちるの望みは残る。各大陸のミドル級の推薦枠がアジアで1ある。これは、今大会の内容と世界ランクを加味し、大会後に協議して決定されるもよう。ただ、世界ランクが32位のしずちゃんが、この推薦枠に入るためには、世界選手権において好成績を収めておく必要があり、厳しいことに変わりはない。
「厳しくなったけど、やることは変わらないです」と語ったしずちゃん。五輪に行くためには勝つしかなくなった。
(落合一郎)