2006年に13歳だったのん(当時・能年玲奈)は、ローティーン向け雑誌『ニコラ』のオーディションを経てモデルデビューを果たす。2013年にNHK『あまちゃん』で一躍人気となったのんだが、当時の給料は5万円ともいわれ、パンツが買えないほど困窮。2016年に独立するも、本名である「能年玲奈」の使用をかつての所属事務所から禁止され、以降は「のん」名義で活動を続けている。
2016年にアニメ映画『この世界の片隅に』が大ヒットを記録し、主人公・すず役の声を担当したのん自身もさまざまな賞を受賞。CM出演や『あまちゃん』をきっかけに結びつきが強くなった東北のイベントにも多く出演。2017年になると"創作あーちすと"としてアートブックを刊行するなど活躍していた。
前述の『のんたれ(I AM NON)』は全11エピソードあり、のんの1年半にわたるドキュメンタリーを収めた。最終エピソードではのんが初監督を務める『おちをつけなんせ』が公開される。この映画でのんは、監督、主演、脚本、演出、衣装、編集、音楽など、ほぼ全てを手掛ける。
しかし、映画を含めたこの動画作品は、のん自身の“プロモーション”での側面が強く、「所詮は学生の自主映画レベル」「ただのユーチューバーでは」など、否定的な声も一部ある。
のんと言えば独特なテンポの話し方が印象的だが、前述した『ニコラ』時代はかなり早口だったという。また天真爛漫なイメージがあるが、実際は人見知りで気を使いすぎ、円形脱毛症になったこともあるといわれている。こうしたギャップに一部ファンから「キャラも迷走気味」、「計算ではないか」とささやかれているようだ。
彼女を支持する著名人は映画評論家の町山智浩氏、筋肉少女帯の大槻ケンヂ、南海キャンディーズの山里亮太などいわゆる“サブカル系が好きな人”が多いとされており、「今回の(映画の)裏にサブカルな大人がいる」と、のんが変化した原因を分析する声もある。
更に、2018年3月4日、都内のイベントで、五輪制覇を果たした男子フィギュアの羽生結弦選手に関して聞かれ「表現力では(羽生選手に)勝てます」と発言。これが配慮がないKY発言だと"炎上"してしまった。その2年ほど前、2016年のエイプリルフールに自身の公式ブログで、人気アニメ『おそ松さん』(テレビ東京系)のキャラクターに扮した姿を披露し、羽生結弦選手にソックリだと話題になったこともあり、余計にイメージダウンとなってしまった。
今年7月には、公正取引委員会がジャニーズ事務所の圧力を注意した元SMAP問題を受け、旧事務所によるのんへの圧力があったことを現マネージャーが声明として発表した。ところが、そもそも旧事務所と契約中にのんが無断で個人事務所を設立したとの報道もあり、のん側への同情はあまり集まらなかった。
ヒットドラマの主人公から一転「悲劇のヒロイン」となり応援の声もあったのん。最近の迷走やKY発言などにより、少なからずアンチが増え始めているようだ。それでも、『のんたれ - OFFICIAL TRAILER』のコメント欄は、その才能と行動力を称賛する声が溢れている。いずれにしても、これから公開される動画、映画の出来で、その真価を見せつけることができるだろう。
記事内の引用について
のんたれ - OFFICIAL TRAILERより https://www.youtube.com/watch?v=DOEk-0MeQbI