原巨人の救援投手陣がざわついている。3月3日、新守護神の最有力候補のライアン・クック(31)がベールを脱いだ。メジャーリーグ、シアトル・マリナーズでも主にリリーフとして活躍してきた。そのクックがわずか7球で3アウトを取り、力強い直球で相手のバットをへし折る場面も見せた。また、8年目のシーズンを迎えるスコット・マシソン(35)がようやく来日した。病気のため、キャンプは不参加となり、チーム合流は6月ごろになるという。
「二軍での調整が続いている大ベテランの上原浩治も、そろそろ実戦登板となりそうです。昨年10月にメスを入れた左膝も完治したようです」(スポーツ紙記者)
2016年セーブ王の澤村拓一(30)は先発に転向することが決まった。
クローザー候補と目されていた彼らの動きを見ると、新加入のクックがクローザーを任されるのではないだろうか。しかし、日本球界に適応できるかどうかは未知数だ。マシソンの回復具合にもよるが、クックがコケたら、今季44歳の上原に頼るしかない。年齢的なことを考えると、シーズンを通しての活躍は期待できないだろう。
原辰徳監督からすれば、クックが日本球界に適応できるかどうかを祈るような思いで見ているはずだ。投手出身のプロ野球解説者が「キャンプでの投げ込みを見た限り」と前置きし、こう評していた。
「セットポジションでの投球がポイントになりそう。セットポジションでも足を高く上げていたのが気になる。走者を出したら、かき回されそう」
対バッターの1対1の勝負なら、パワー十分のストレートで通用しそうだが、日本のプロ野球は機動力を駆使する。セットポジションでクイックモーションができるかどうかが、分かれ目となる。状況次第では救援タイプの投手を緊急補強することになるのではないだろうか。
リリーフ投手の選手登録について、こんな指摘も聞かれた。
「阿部慎之助(39)の捕手再コンバートが決まり、試合出場できるベンチ入りメンバーの人数構成に影響が出そう。年齢的に考えて、阿部が捕手でフル出場するとは思えません。おそらくは代打がメインで、ときどきスタメン手マスクをかぶるといった起用になると思う。だから、今年の巨人は阿部、小林、炭谷、打撃好調の大城の4人を試合登録することになる」(前出・プロ野球解説者)
プロ野球の試合で、一軍登録できる選手数は最大29人。28人から拡大されたのだが、試合出場できるベンチ入りメンバーの登録数は「25人」のままだ。一般的には捕手3人、投手10人程度を登録して、試合に臨む。
「外国人選手の一軍登録も難しい。一軍登録は4人まで。ゲレーロ、ビヤヌエバの2野手を一軍登録させれば、外国人投手は2人しか使えません。クック、マシソン、メルセデス、ヤングマン、アタメスの5投手をどう使い分けるのか?」(前出・同)
阿部の再コンバートにより、リリーフ投手の分が削られるようなことになれば、投手継投が崩壊する場面もあるかもしれない。澤村をリリーフに戻すか?
「大型補強」とは、余剰人員を増やすことではないのだが…。(スポーツライター・飯山満)