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野球選手に脚本家、お笑い芸人の活動範囲が拡充中

 かつてはよく見られた「芸人だけでは食っていけないから」という理由ではなく、“天が二物を与えた”パターンで、2足のワラジを履く芸人が増えた。たとえば、360°(さぶろく)モンキーズ・杉浦双亮。彼の場合は、野球だ。

 幼少期から野球少年だった杉浦。当然、「将来の夢はプロ野球選手」だった。しかし、最速141kmを誇ったこともある速球には難癖があり、“名門”帝京高校に進学後、3年間ベンチ入りすることができなかった。それでも、休日は年に2日だけという厳しさで、いつしか理想と現実のギャップに悩み、帝京大学進学後は野球を離れた。お笑いに没頭したのだ。同時に、体を動かす感覚で、草野球を楽しんだ。

 そんな杉浦の名が世に知れわたったのは、『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)の人気企画“細かすぎて伝わらないモノマネ選手権”。披露したマニアックすぎるプロ野球選手のジェスチャーが、同じ帝京出身のとんねるずの琴線に触れ、出演回数を重ねた。

 そして昨年、39歳の高齢で四国アイランドリーグのトライアウトを受験して、合格。晴れて、「愛媛マンダリンパイレーツ」の投手になった。すでに40の大台に乗った今月22日には、愛媛の初練習に参加。ついに、芸人とプロ野球選手の二刀流生活をスタートさせた。

 いっぽう、身体ではなく脳を認められたのは、“キングオブコント”ファイナリストの常連だった鬼ヶ島・おおかわら。漫☆画太郎の伝説のギャグマンガ『珍遊記〜太郎とゆかいな仲間たち〜』の実写化にともない、脚本家に名を連ねているのだ。脚本家としてタッグを組むのは、松原秀。大ヒット中の『おそ松さん』の脚本、シリーズ構成を務める大人気放送作家だ。

 おおかわらは、鬼ヶ島で台本を書いているが、幼少期は作文より絵のほうが好きだった。小学生のころ、埼玉県知事賞を受賞したのも絵だった。ところが、昨年の単独ライブに、本作の監督を務める山口雄大が来場すると、すべったコントを見て絶賛。おおかわらへ脚本を依頼した。

 松山ケンイチ、倉科カナ、溝端淳平、ピエール瀧といった人気俳優がズラリと並ぶ同作。おおかわらは脚本家デビュー作で、どんな個性を出したのか。2月27日(土)の上映が待ち遠しい。

 華麗なるスポーツ歴や、深夜ラジオの元ハガキ職人などが、芸能人になってからその才能を開花させることもある。芸能界は夢が詰まっている、というわけか…。

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