Qちゃん引退の理由は「プロとしての走りができなくなったから」だった。
今年3月の名古屋国際では2時間44分18秒でまさかの27位。その後は渡米して合宿をしていたが、8月下旬から9月にかけて調子が上がらず「最初から優勝が無理と分かっているなら、退いた方がいい」と考え、10月にチームQや側近に決意を伝えた。
「自分の中で完全燃焼しました。陸上人生に悔いなしです」
会見では涙をこらえ、すべての質疑応答にQちゃんスマイルで受け答えしていたものの、最後の最後で報道陣から拍手で見送られると、感極まって涙を流した。
シドニー五輪で日本陸上界の戦後初となる金メダルで国民栄誉賞を受賞した国民的ランナーの引退。テレビの在京キー局は午後5時からの会見を生中継するなど大々的に報じたが、この50分に及ぶ会見ではQちゃん困惑の珍問答もあった。
引退会見でなぜか「心に残っている音楽」を尋ねられ、呆気にとられたQちゃんは「練習中に元気をもらったウルトラソウル」と回答。
シドニー五輪で金メダルを獲った際に聞いていたことから話題になった、hitomiの「LOVE2000」ではなく、B'zの「ultra soul」をあげる一幕もあった。
今後については現時点では未定。Qちゃんは「陸上の楽しさを多くの人に伝えていきたい」と語っていた。